桜島地震

桜島地震の概要

桜島地震（さくらじまじしん）は、1914年1月12日の午後6時28分に発生した大規模な地震であり、震源は鹿児島県の鹿児島湾に位置していました。この地震はマグニチュード7.1と推定され、当時としては珍しい強さを誇っていました。観測点が限られていたため、最終的な震度の精度には多少の疑問が残りますが、影響は甚大でした。

1914年の桜島大正大噴火との関係

桜島地震は、桜島での大正大噴火の発生中に起こりました。この噴火の開始からわずか8.5時間後に地震が起こったことから、両者の関連性が指摘されています。通常、火山性地震はマグニチュードが6未満であるため、このような大きな地震は特異なものでした。これは、マグマの移動によって地殻が弱まり、蓄積されていたひずみが一気に解放された結果と考えられています。

地震前の兆候

地震が発生する数日前には、桜島内で数回の有感地震が観測されており、地元住民もそれを感じていました。11日には鹿児島市内での有感地震も報告されており、市民たちの不安が徐々に高まっていたことがうかがえます。

震度の状況

桜島地震による震度は、鹿児島市で最大6弱と推定され、これは埋立地に限っての数値です。市街地のほとんどでは、震度5弱から5強となっており、その影響は広範囲に及んでいました。

被害状況

地震による被害は非常に深刻で、指定地域の住民に多くの死傷者をもたらしました。公式な記録では、当時の鹿児島市と谷山村において、死者は29名、負傷者は111名に達しました。住宅も大きな被害を受け、全壊した家屋は120棟、半壊は195棟にのぼりました。また、交通網も大きな影響を受け、特に野外では土砂崩れが多発し、多くの道路が寸断されました。

特に、鹿児島郡西武田村では県道が崩れ落ち、その結果20名以上が下敷きになり、10名が命を失った悲劇的な事故も発生しました。さらに、谷山村内でも交通が遮断される事態が続出し、周辺地域の移動が困難になりました。

津波の発生とその影響

桜島地震によっては小規模な津波も引き起こされました。波高は約2メートル前後と報告されており、鹿児島湾沿いにあった塩田や埋立地では特に地盤沈下などの被害を受けました。地震による揺れで鹿児島測候所の地震計も破損するなど、影響は広範囲に及びました。

鹿児島市内での混乱

大正大噴火と地震が同時に発生したため、鹿児島市内での住民の不安が高まり、噂が飛び交い、大津波の発生を心配する人々が避難を求める混乱が生じました。

結論

桜島地震は、火山活動に伴う地震として、当時の住民たちに計り知れない影響を与えました。地域のインフラや生活に甚大な害を及ぼし、今なおその記憶は語り継がれています。

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