梁振英

梁振英（りょう しんえい、Leung Chun-ying）は、1954年8月12日に香港で生まれた政治家です。彼は第3代香港特別行政区行政長官を務め、現在は中国人民政治協商会議全国委員会副主席という要職にあります。

生い立ちとキャリア

梁振英は香港のクイーンメアリー病院で誕生しましたが、本籍地は山東省威海市にあります。香港理工学院で建築測量を学んだ後、イギリスのブリストル理工学院（現・西イングランド大学）で修士号を取得しました。1984年にイギリスから中国への香港返還が決定すると、翌年には香港特別行政区基本法の起草に携わります。この頃から中国の政界や不動産業界との関係を深め、返還後は不動産コンサルタント業を営む傍ら、行政長官の諮問機関である行政会議のメンバーを長年務めました。また、全国政治協商会議香港地区委員としても活動し、親中派としての立場を明確にしてきました。

行政長官への道

2011年、梁振英は香港特別行政区行政長官選挙に出馬を表明しました。同じく親中派の唐英年との選挙戦では、当初唐が優勢でしたが、中国共産党の支持を得たことや、唐の自宅違法増築問題などを追及した結果、2012年3月25日の選挙で勝利しました。就任直後には、自身も自宅の違法建築が発覚し、物議を醸しました。

2012年7月1日に行政長官に就任しましたが、その支持率は低迷し、僅か689票での当選だったことから「689」という蔑称で呼ばれることもありました。2013年には、民主派による大規模な辞任要求デモが発生するなど、彼の政治手法に対する批判は高まりました。

在任中の出来事

在任中、梁振英は様々な問題に直面しました。2013年には、新たな地上波テレビ局の免許発給に関する不透明な決定が、報道の自由への干渉として香港市民から大きな反発を受けました。また、香港政府や梁の政治姿勢を批判していた新聞の編集長が解任されたり、襲撃事件に遭ったりする事態も発生し、報道の自由に対する懸念が高まりました。

さらに、彼の娘がソーシャルメディアに投稿した内容が、香港市民の反感を買う事態も発生しました。娘の発言に対し、梁本人は「他人の発言にはコメントしない」と述べたため、その姿勢にも批判が寄せられました。

政策

梁振英の政策には、アメリカ国家安全保障局（NSA）の情報漏洩事件に関わる対応や、尖閣諸島問題への姿勢などがあります。また、愛国心を育むための国民教育の導入を試みましたが、民主派の猛反発を受け、事実上撤回されました。

行政長官選挙の詳細

2012年の行政長官選挙では、親中派の唐英年が優勢でしたが、スキャンダルにより形勢が逆転し、同じく親中派の梁振英が優位になりました。選挙では、香港市民による模擬投票も実施されましたが、不正アクセスによりサーバーダウンが発生しました。この模擬投票の結果、梁振英の得票率は17.77%と低いものでした。

まとめ

梁振英は、香港の政治において重要な役割を果たした人物です。彼の行政長官としての期間は、多くの政治的課題や論争に直面し、香港社会に大きな影響を与えました。現在も中国の政治において重要なポストを務めており、その動向は注目されています。

もう一度検索