梅田ガーデン

「梅田ガーデン」（うめだガーデン）は、大阪府大阪市北区曽根崎に位置する超高層建築物です。このビルは、閉校となった大阪市立大阪北小学校の跡地を活用して、住友不動産株式会社によって開発されました。プロジェクトの初期段階では「梅田曽根崎計画」という仮称で呼ばれていましたが、竣工とともに正式名称が「梅田ガーデン」となりました。梅田エリアの中心部に位置し、複数の機能を内包する複合施設として、街に新たな賑わいをもたらしています。

開発の契機となったのは、地域の歴史を刻んできた大阪市立大阪北小学校が2007年3月にその歴史に幕を閉じたことです。広大な跡地の有効活用は大阪市の重要な課題となり、2014年1月には、活用事業者を公募型プロポーザル方式で選定する方針が発表されました。この際の入札予定価格は67億円とされていましたが、同年3月14日に行われた事業者決定プロセスにおいて、住友不動産が提示した145億円という提案が採択され、跡地の売却が決定しました。この価格は、梅田という都心の一等地における開発への期待の大きさを反映するものと言えます。

土地の売却決定から計画が具体化し、2018年7月には建設工事が開始されました。その後、約3年8ヶ月の歳月を経て、2022年3月8日に無事竣工を迎えました。この完成により、梅田エリア、特に東側の曽根崎地区における景観と機能が大きく変化しました。

梅田ガーデンは、単一の機能ではなく、宿泊施設、居住施設（分譲マンション、賃貸マンション）を組み合わせた複合施設として設計されています。これは、都市の中心部における多様なニーズに応えるためです。

建物の主な構成は以下のようになっています。

1階: 来訪者を迎えるグランドフロアとして、一部に店舗が配置されるとともに、ホテル宿泊者向けの主要なエントランスが設けられています。
2階: 居住者専用のマンションエントランスが配置されており、プライバシーに配慮した動線が確保されています。また、地域社会との連携や交流を促進するための文化・交流施設、さらには大阪市が管理する公共スペースもこのフロアに設けられています。
3階: 主に居住者向けの駐輪場として利用されており、利便性が高められています。
4階から8階: ホテル「ヴィラフォンテーヌ グランド 大阪梅田」が入居しています。全202室を有し、洗練された空間でビジネスや観光の拠点として機能します。
9階から39階: 分譲マンション「梅田ガーデンレジデンス」が位置しています。総戸数は584戸に及び、都心に住まう新しいライフスタイルを提供します。このマンションは、土地の権利が75年間の一般定期借地権という形態をとっている点が特徴です。
40階から56階: 超高層部の大部分を占めるのは、賃貸マンション「ラ・トゥール大阪梅田ガーデン」です。134戸の住戸からなり、住友不動産の展開する高級賃貸マンションブランド「ラ・トゥール」シリーズとしては、大阪市内で初めての導入事例となります。高層階ならではの眺望と充実したサービスが居住者に提供されます。

梅田ガーデンは、単なる超高層ビルというだけでなく、学校跡地の再生という側面、公募による事業者選定プロセス、そして複数の都市機能を組み合わせた複合開発という点で注目されるプロジェクトでした。完成後は、梅田の東玄関口におけるランドマークとして、賑わいと居住の場を提供し、エリア全体の活性化に貢献しています。その存在は、大阪都心の再開発の成功事例の一つとして挙げられます。

もう一度検索