梅花女子大学短期大学部

梅花女子大学短期大学部

梅花女子大学短期大学部は、大阪府茨木市に位置し、学校法人梅花学園が運営していた私立の短期大学でした。キリスト教の教えを建学の精神とし、1950年に開学しました。これは同時期に設立された梅花女子大学よりも早い歴史を持ち、日本の短期大学制度発足と共に歩み始めた伝統ある学校でした。しかし、時代の流れとともにその役割を終え、2013年に学生募集を停止し、2015年4月17日をもって正式に廃止されました。

教育内容と特色

提供された教育は、専門性と実践性を重視したものでした。学科構成は時期によって変動しましたが、廃止時には英語コミュニケーション学科と日本語表現科、そして生活科学科（複数の専攻を含む）が設置されていました。

英語コミュニケーション学科では、国際社会で通用する実践的な英語能力、特に「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をバランス良く伸ばすことに注力し、希望者にはオーストラリアへの留学機会も提供されていました。
日本語表現科では、日本語の豊かな知識と日本文学への理解を深めながら、社会生活や職業において必要とされる正確で効果的な表現力を養うことを目指しました。
* 生活科学科は、多様な専門分野を擁していました。造形デザイン専攻には、ファッションデザイン、インテリアクラフト、マンガ・イラストといったユニークなコースがあり、学生は各自の専門分野で創造性を追求し、卒業制作発表会でその成果を披露しました。調理・製菓専攻は、食の専門家育成に特化しており、調理師を目指す調理コース、製菓衛生師を目指す製菓コース、そして食文化全般を学ぶ食彩コースがありました。特に調理師や製菓衛生師の養成課程は、全国的に見ても設置校が限られていたため、本学部の大きな特色の一つでした。

また、過去には生活福祉学専攻、住居学専攻、生活健康学専攻なども設けられていました。学生はこれらの学びを通して、特定の資格取得や受験資格の獲得を目指すことも可能でした。具体的には、調理師（調理コース）、介護福祉士（生活福祉学専攻）、製菓衛生師の受験資格（製菓コース）、二級建築士の受験資格（住居学専攻）などです。さらに、中学校教諭二種免許状（英語、家庭、国語）の教職課程も提供されていました。

学風、学生生活、施設

梅花女子大学短期大学部は、梅花女子大学と同じキャンパス内に併設されており、両校の学生は密接に交流していました。クラブ活動や学園祭などの課外活動は基本的に大学と合同で実施され、短期大学生も大学の豊かな環境を享受できました。また、卒業後に梅花女子大学の学部へ編入する学生も毎年少なくありませんでした。

施設面でも大学と多くの部分を共用していましたが、調理実習室、集団給食実習室、製菓実習室など、短期大学部の専門教育に必要な一部の実習施設は独自に整備されていました。

歴史と対外関係

本学の起源は古く、1878年に設立された梅花女学校にまで遡ります。その後、梅花高等女学校、梅花女子専門学校へと改組を経て、1950年に短期大学として開学しました。当初は大阪府豊中市にキャンパスがありましたが、1981年に現在の所在地である茨木市へ移転しました。以降、学科の改編や名称変更を重ね、2004年に「梅花女子大学短期大学部」となりました。そして、2013年の学生募集停止を経て、2015年に閉学となりました。

国際交流にも積極的で、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、中国、韓国、台湾など、世界各国の多数の大学と協定を結び、学生の国際的な視野を広げる機会を提供していました。

その他

本短期大学部にゆかりのある著名な人物としては、女優の松居一代さん（中途退学）や、お笑いタレントの堀川絵美さんがいます。系列校には梅花女子大学、梅花中学校・高等学校があります。

短期大学部は、長年にわたり様々な分野で専門教育を行い、多くの卒業生を社会に送り出してきましたが、65年の歴史に静かに幕を下ろしました。

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