梅若猶義 (初世)

初世 梅若 猶義について

初世 梅若 猶義（しょせい うめわか なおよし）は、1911年に東京で生まれ、1972年に亡くなった観世流の能楽師であり、能楽界において重要な影響を与えた人物です。彼は能楽の伝統を受け継ぎながら、その普及を図る活動にも力を注ぎ、多くの人々に愛されました。

人物背景

初世 梅若猶義は、観世流の能楽師である初世 梅若万三郎の5男として生を受けました。1915年の3月、彼は『鞍馬天狗』において子方として初めて舞台に立ちました。この初舞台は、後の彼の能楽師としての道を切り拓くスタートとなりました。

1936年には『道成寺』を披露し、彼の名はますます広まりました。彼は、父である万三郎の教えを受けながら技術を磨き続けました。また、1930年代中盤からは関西へと稽古に通うようになり、終戦後には京都に移り住み、その後大坂に根を下ろしました。

1946年、万三郎が他界した後、梅猶会を立ち上げ、大阪を拠点にしつつ東京や名古屋でも活動を展開しました。彼の声調や謡いは父のスタイルを継承しながら、独自の華やかな型も高く評価されるようになりました。

能楽普及のための活動

梅若猶義は、能楽の一般への普及に尽力し、照明能や劇場での能公演にも積極的に取り組みました。特に、1958年から大阪国際フェスティバルに協力し、そこでも舞台装置の考案や演出、また自身も度々出演していました。このフェスティバルは、彼の能楽師としての技術が評価される場ともなり、多くの観客を魅了しました。

1965年からは日本能楽会の会員としても活動を開始し、重要無形文化財保持者としてその技術を守り続けました。さらに、1967年には国際文化振興会の後援を受けて、映画『能―鑑賞と知識』を制作するなど、能楽の理解を深めるための活動を行いました。

家族について

初世 梅若猶義は、初世 梅若万三郎を父として持ち、二世 梅若万三郎は実兄にあたります。さらに、次男には五世 梅若吉之丞がいます。五世吉之丞の息子が猶義の名を継いで二世 梅若猶義となっているため、家族としての能楽の伝承も続いています。こうした血筋は、梅若家が能楽界において重要な存在であることを示しています。

まとめ

初世 梅若 猶義は、能楽師としての活動を通じて多くの人に愛されました。彼の舞台での華やかさや技術は、能楽の魅力を伝える重要な要素となり、現在もその影響は私たちの中に息づいています。能楽の普及に尽力した彼の生涯は、今後も多くの人に語り継がれていくことでしょう。

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