梓水力発電所

梓水力発電所は、長野県松本市梓川梓に位置する、中部電力の水路式水力発電所です。最大出力2,200kW、常時出力550kWという比較的小規模な発電所ですが、地域社会の電力需要を支える重要な役割を担っています。

この発電所の最大の特徴は、平地の集落近くに位置している点です。通常、水力発電所は山間部や山麓に建設されることが多いのですが、梓水力発電所は例外的な存在と言えます。

発電形式は水路式で、梓川から取水した水を利用して発電します。発電方式は流込み式であり、水路を通じて取り入れた水が直接水車を回す方式です。

有効落差は18.25mで、発電設備は1987年3月に更新されました。水車には横軸フランシス[[水車]]が採用されており、発電機は横軸三相交流同期発電機1台で構成されています。

かつて、梓川橋方面から発電所を見ると、直径14m、最高高さ9.2mの巨大な円筒形調圧水槽が非常に目立っていました。この調圧水槽は水路と水圧鉄管の接続部に位置し、発電所の象徴的な存在でした。

梓川から取水された水は、水路を通って徐々に河岸段丘の上まで運ばれます。水路は約800mほど西側で暗渠となり、最終的に調圧水槽へと接続します。

発電設備が収められている建屋は、特筆すべき点のない、ごく一般的な外観をしています。

梓水力発電所は1944年12月に運転を開始しました。戦時中に建設された歴史ある発電所です。

発電所の周辺には、以下のものがあります。

梓川
梓川橋

水力発電
平地水力発電
中部電力

外部リンク

 水力発電所データベース梓発電所

梓水力発電所は、その特異な立地と歴史的背景から、水力発電の多様性を示す貴重な事例と言えるでしょう。地域に密着した発電所として、これからもその役割を果たし続けることが期待されます。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。