梶茂樹

梶茂樹のプロフィール

梶茂樹（かじ しげき、1951年生まれ）は、日本の言語学・音声学、アフリカ地域研究の権威です。京都大学の名誉教授であり、現在は京都産業大学の教授として教育と研究に従事しています。彼の業績は、アフリカ諸語のフィールドワークや言語記述を通じて、言語と文化の関係を深く探求するものです。

経歴

梶は香川県出身で、1969年に香川県立高松高等学校を卒業後、1974年に京都大学文学部を卒業しました。さらに、大学院での研究を経て、1979年に博士課程を単位取得退学し、1993年に文学博士の学位を取得しました。彼は、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で助手から教授に昇進し、2004年には京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の教授に就任しました。2016年に名誉教授となり、同年より京都産業大学で共通教育を推進しています。

研究と取り組み

主にアフリカ諸語のフィールドワークを通じて、少数言語や危機言語に関する問題に積極的に取り組み、社会言語学的な視点から国語の問題や言語と文化について考察しています。彼の調査活動は1970年代から始まり、主にコンゴ（ザイール）、セネガル、タンザニア、ウガンダでの研究を行っています。特に2001年以降のウガンダでの調査は、彼の代表的な研究活動の一つです。

日本言語学会の会長や京都大学アフリカ地域研究資料センター所長も務めており、これらの役職を通じて日本におけるアフリカ研究の振興にも寄与しています。2023年には新村出賞を受賞し、その業績が広く評価されています。

主な著書・論文

桁外れの著作群が彼の研究を物語っています。例えば、2010年に共著した『ウガンダ・ノート』や、2009年に共編著した『アフリカのことばと社会−多言語状況を生きるということ』などがあります。また、アフリカ諸語に関する具体的な研究やフィールドワークの手法についても多数の論文を発表しています。彼の論文の中には「多言語使用とリンガ・フランカの使用」や「トーロ語における他動詞の自動詞的用法」など、多様なテーマが含まれています。

プロジェクトと受賞歴

さらに、科学研究費補助金を受けたさまざまなプロジェクトにも関与しており、特に「アフリカ諸語における統語構造と声調」などの研究が挙げられます。彼の業績は、言語学だけでなく、文化人類学や社会学的な観点からも注目されています。日本学術会議の会員やベルギー王立科学アカデミーの会員としても活動しており、国際的な学問コミュニティにおいても影響力を持っています。

最後に

梶茂樹の研究は、言語と文化が織りなす複雑な関係を理解する上で非常に貴重です。彼の続く探求と業績は、今後の言語研究においても重要な指針となるでしょう。

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