森かれん

森かれん

森かれん（もり かれん）は、1990年（平成2年）2月11日に京都府京都市上京区で生まれた日本の政治家です。現在、京都市会議員を2期務めており、地域政党京都党では政務調査会長を務めています。

生い立ちと学生時代

地元の京都市立翔鸞小学校、衣笠中学校で学び、京都府立朱雀高等学校普通科に進みました。朱雀高校は全日制に加え、通信制や定時制も併設されており、様々な背景を持つ生徒たちが学ぶ自由な校風でした。不登校や保健室を利用する同級生たちの姿を目の当たりにする中で、森氏は強い思いを抱くようになります。「たとえ一時的に学校に通えない時期があっても、再び学ぶ機会が与えられるべきだ」「学校とは、生徒一人ひとりが将来を描く上で多様な選択肢を提供できる場所であるべきだ」という考えです。

その後、同志社大学政策学部へ進学しました。大学では社会科教員を目指し、勉学に励む傍ら吹奏楽部で活動し、充実した交友関係を築きました。

政界への歩み

大学卒業後、堀場雅夫氏が最高顧問を務める株式会社堀場製作所に入社しました。大学時代に所属していた野間敏克教授のゼミの先輩に、当時京都市議を務めていた江村理紗氏と中島拓哉氏がいたことが、森氏が政治の世界に関心を持つきっかけの一つとなります。二人の勧めもあり、森氏は村山祥栄氏が主宰する政治塾に一年間参加しました。

入塾当初から明確に政治家を志していたわけではありませんでしたが、当時党代表であった村山祥栄氏をはじめとする塾生たちが、京都市の深刻な財政問題や議員定数削減といった課題について熱心に議論を交わす姿に触れるうち、「この京都の状況を変える力になれるのではないか」という確信めいた思いを抱くようになります。これが、自らも議員を志す決定的な動機となりました。

選挙への挑戦を決意した際、勤務していた堀場製作所には「特別無給休暇」という制度があり、森氏はこの制度を活用して立候補しました。選挙戦では、母親が選挙カーのマイクを握って支持を訴え、大学時代の後輩たちがスタッフとして手弁当での選挙戦を展開するなど、草の根での活動を行いました。森氏が出馬した上京区選挙区は定数4に対し5人が立候補しており、森氏以外の4人は全て現職かつ既成政党公認候補という、新人にとっては極めて厳しい戦いとなりました。

京都市議として

初当選とその意義

激戦となった選挙戦でしたが、草の根で着実に支援を広げた結果、森氏は4,227票を獲得し、最下位ながら当選を果たしました。当時25歳2ヶ月での当選は、京都市議会史上最年少タイ記録という快挙であり、同時に京都市会で初めて誕生した平成生まれの議員としても注目を集めました。

1期目の活動

2016年（平成28年）2月27日には、地域政党京都党の総務会長に就任しました。京都市が抱える財政基盤の脆弱性という課題に対し、新たな財源確保策として法定外税である宿泊税の導入を積極的に提唱します。具体的な導入プランの一つとして、欧州で先行導入されているホテル格付け制度を参考に、自治体による評価に基づいた星の数に応じた宿泊税課税の可能性について調査を行いました。

この調査の一環として、村山氏と共にイタリア・ミラノ市で実地調査を実施。宿泊税導入が宿泊客数の減少に繋がっていないこと、また格付け制度と組み合わせることで税収増が期待できることを報告書にまとめました。この意欲的な調査とその報告内容は高く評価され、2016年11月にはローカル・マニフェスト推進連盟主催の第11回マニフェスト大賞において、村山氏との共同で政策提言賞優秀賞を受賞する栄誉に輝きました。

再選と新たな取り組み

2019年（平成31年）4月7日に行われた第19回統一地方選挙の京都市議会議員選挙において、森氏は4,999票を獲得し、再選を果たしました。同年8月には、党の政務調査会長へ昇格しています。

また、この頃妊娠期間中であった森氏は、変わらず精力的に議会活動に取り組みました。2019年（令和元年）11月議会の本会議では、森氏からの申し出が認められ、着席したまま挙手によって採決に参加することが議長により許可されました。同年11月4日に行われた代表質問の場においても、体調を考慮し飲料水の持ち込みが特別に認められています。これらはいずれも、妊娠を理由とした議員への許可としては京都市会史上初の事例となり、議員の働きやすさや多様な状況への配慮という観点から注目を集めました。

森かれん氏は、若くして政治の世界に飛び込み、データに基づいた政策提言や、多様な立場への配慮を議会に導入するなど、精力的な活動を続けています。

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