森まゆみ

森まゆみについて

森まゆみ（もり まゆみ、1954年7月10日生まれ）は、日本人作家およびエッセイスト、編集者、また市民運動家としての顔を持つ多才な人物です。彼女は公益財団法人日本ナショナルトラストの理事として文化財の保護や地域の文化振興に努め、日本の社会に影響を与える活動を続けています。早稲田大学ジャーナリズム研究所の特別招聘研究員や明治学院大学国際平和研究所の研究員としても知られています。

森は東京都文京区動坂に生まれ、両親は歯科医という家庭で育ちました。母方の苗字をペンネームに用い、幼少期から様々な文献に触れる機会がありました。文京区立誠之小学校及びお茶の水女子大学附属中学校、高等学校を経て、早稲田大学の政治経済学部を卒業しました。在学中には藤原保信氏に師事しました。

出版社での企画及び編集業務を経て、東京大学新聞研究所に進み、情報学についての学びを深めました。その後、フリー編集者として活動を始め、伯母である作家近藤富枝の紹介によって1980年に初著書『日本の女 戦前編』を橘樹まゆみ名義で刊行しました。1983年から1984年には女子のための雑誌『ほんのもり』に参加し、書評を執筆。その後、地域の女性たちと共に地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を創刊し、特に地域のストーリーや人々の体験を丁寧に記録する編集方針で注目を集めました。

また、彼女は自身の著作を通じて、東京の都市環境や文化の保存に対する関心を示し、特に上野奏楽堂や旧岩崎邸の保存運動にも携わってきました。2013年からは「神宮外苑と国立競技場を未来へてわたす会」の共同代表として活動し、文化財の保護を推進しています。

私生活の面では、1991年には離婚し、地域の仲間からの支援を受けながら3人の子供を育て上げました。彼女は執筆活動と子育てを両立させ、多忙な日々を過ごしました。多数の著書を持ち、その中には1989年に受賞した第11回日本雑学大賞や、1997年に受賞した芸術選奨文部大臣新人賞があります。

近年では、自己免疫疾患に悩まされ、一時失明の危機に直面しましたが、彼女は2年以上の闘病を経て回復しました。社会的な活動にも積極的に参加し、放送倫理・番組向上機構（BPO）の委員を務めていました。

彼女の著書は幅広いテーマを扱い、作家や文化人の生涯、地域の歴史、そして都市文化に焦点を当てています。主な著作には『抱きしめる、東京 町とわたし』や『東京遺産 保存から再生・活用へ』があり、いずれも多くの読者に支持されています。尽きることのない探求心と表現力を駆使して、森まゆみは今後も新たな作品を世に送り出し続けることでしょう。

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