森ガキ侑大

森ガキ 侑大（もりガキ ゆきひろ）

映画監督、ドラマ演出家、脚本家として活躍する森ガキ侑大（もりガキ ゆきひろ）は、1983年6月30日に広島県広島市で生まれた。多岐にわたるジャンルを手掛け、その独創的な視点と確かな演出力で国内外から注目を集めている。

来歴

広島工業大学高等学校を経て広島工業大学で学び、在学中から映像の世界に足を踏み入れ、特にドキュメンタリー制作に情熱を注いだ。卒業後、2006年に福岡のCMプロダクションに入社。CM制作に携わる中でキャリアを積み、その手腕を磨いた。約11年間の経験を経て、2017年には独立を果たし、自らのクリエイティブ活動の拠点となるクリエイター集団「クジラ」を立ち上げた。

作風と評価

森ガキ氏の映像作品は、映画、CMの双方において国内外で高い評価を獲得している。ギャラクシー賞やATP賞といった国内の主要な賞に加え、カンヌライオンズ、ADFEST、SPIKES ASIAといった海外の広告・映像祭でも数多くの栄誉に輝いている。ドキュメンタリーで培った観察眼と、CMで磨かれた瞬間の切り取り方が、彼の作品に独自のリアリティと鮮烈さをもたらしている。

主な作品

映画

森ガキ氏は、長編映画デビュー作となった2017年の『おじいちゃん、死んじゃったって。』で、第39回ヨコハマ映画祭において森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞するなど、国内で注目を集めた。さらに、タリン・ブラックアウト映画祭でのNETPAC賞（最優秀アジア映画賞）、ヴズール国際アジア映画祭での国際審査員グランプリをはじめ、数多くの海外映画祭でも受賞や出品を果たし、その才能は世界に認められた。

その後の作品としては、2021年に監督・編集を務めた『さんかく窓の外側は夜』、同年に監督・撮影を手掛けたドキュメンタリー『人と仕事』がある。

2024年には、監督・脚本を務めた『愛に乱暴』が完成。第58回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭クリスタルグローブコンペティション部門への出品をはじめ、香港国際映画祭、シンガポール日本映画祭、オーストリアJAPANNUALなどで正式上映され、主演俳優が高崎映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞するなど、再び国際的な注目を集めている。

テレビドラマ

テレビドラマの分野でも、多作な活動を展開している。

特に、2019年にWOWOWで放送された角田光代原作の『坂の途中の家』は、国内外で大きな反響を呼んだ作品である。このドラマは、HBOなどを通じて全世界27ヵ国で配信され、サスペンスフルな展開と社会派テーマが融合した質の高い演出が高く評価された。

その他の主な監督作品には、『シリーズ・江戸川乱歩短編集 算盤が恋を語る話』（NHK BSプレミアム、2018年）、『時効警察はじめました』第4話（テレビ朝日、2019年）、自ら原案・脚本・監督も手掛けた『叫ばないと生きていけない』（RCC、2022年）、『オリジナルドラマ 神木隆之介の撮休』第3話、第6話（WOWOW、2022年）、『海の見える理髪店』（NHK BSプレミアム、2022年）などがある。

短編映画・ミュージックビデオ

長編デビュー以前に手掛けた短編映画『ゼンマイ式夫婦』（2014年）では、原案・脚本・監督を務めている。

また、羊毛とおはな、かりゆし58、新しい学校のリーダーズ、Yogee New Wavesといった人気アーティストのミュージックビデオも多数手掛けており、映像表現の幅広さを示している。

受賞歴（主要なもの）

映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」
第39回ヨコハマ映画祭 森田芳光メモリアル新人監督賞
第21回タリン・ブラックアウト映画祭 NETPAC(最優秀アジア映画賞)
第24回ヴズール国際アジア映画祭 国際審査員グランプリ
テレビドラマ「坂の途中の家」
日本民間放送連盟賞 番組部門 TVドラマ 優秀賞
テレビドラマ「満島ひかり×江戸川乱歩 算盤が恋を語る話」
第56回ギャラクシー賞 日本放送協会 奨励賞
広告・CM
ギャラクシー賞、ATP賞、CANNES、ADFEST, SPIKES ASIAなど国内外で多数受賞。

現在もクリエイター集団クジラを拠点に、精力的な活動を続けている。

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