森山汀川

森山汀川の生涯と業績

森山汀川（もりやま ていせん、1880年9月30日 - 1946年9月17日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の歌人です。本名は森山藤一。長野県諏訪郡落合村（現在の富士見町）で生まれました。彼の詩的な旅は、幼少期に俳句を始めたことから始まります。その後、正岡子規に師事し、詩の道を進むことになりました。

汀川は、諏訪郡立実科中学校（現・長野県諏訪清陵高等学校）で学んでいた時期に、さまざまな文学活動に関わります。在学中に俳句を始め、旧制中学校を卒業した後は、小学校の教師として教育に従事しながら、短歌に専念することになります。1900年代初頭に、長野県で同じく教育者である歌人・島木赤彦と出会い、短歌の道に深く入っていきます。

1903年には、島木赤彦や太田水穂らと共に歌誌「比牟呂」を創刊しました。この雑誌は、1909年に「アララギ」と合流し、汀川はその編集に参加することになります。特に「アララギ」では、1929年から選者を務め、後に「信毎歌壇」（信濃毎日新聞）でも選者の役割を担いました。彼の編集活動を通じて、多くの新たな歌人が誕生し、短歌の世界が広がりました。

第二次世界大戦後の1946年には、土屋文明の提案により甲信越版「アララギ」として「第二次ヒムロ」を発刊しますが、同年に汀川はこの世を去りました。彼の死後も、「月刊の歌誌」として「第二次ヒムロ」の活動は続き、汀川の編集した歌が多くの人々に親しまれています。汀川の裔には、歌人であり作家の宮坂丹保がいます。

汀川の歌集には、『峠路』（1932年）、『雲垣』（1940年）、『樹雫』（1951年）などがあります。それぞれの作品は、彼の思索や感情が色濃く表れたものであり、後の歌人にも多大な影響を与えました。また、彼は校歌の作詞も手掛けており、1945年には長野県下伊那郡松川町立松川北小学校の校歌を作詞しました。

汀川の業績を振り返ると、彼は歌人として多くの人々に感動を与え続けた存在であり、日本の短歌の発展に寄与した重要な人物であることが分かります。彼の詩作品や編集した歌誌が今日でも評価され続けていることから、彼の文学的遺産は決して消えることはないでしょう。

参考文献

• - 北澤敏郎『評伝 歌人森山汀川（ヒムロ叢書（第25編））』ユースビジコム出版、1999年
• - 宮坂丹保『森山汀川あて書簡にみるアララギ巨匠たちの素顔』銀河書房、1996年
• - 宮坂丹保『汀川と「アララギ」その周辺』信濃毎日新聞社、2015年

外部リンク

• - 斎藤茂吉「島木赤彦臨終記」（青空文庫）

もう一度検索