森本三男

森本三男は、1930年6月26日に満州国旅順で生まれ、日本の経営学界に大きな足跡を残した人物です。彼は、山口大学経済学部を卒業後、一橋大学大学院で修士課程を修了しました。その後、横浜市立大学で助手、講師、助教授、教授とキャリアを重ね、1984年には青山学院大学国際政治経済学部の教授に就任しました。

森本氏は、1997年に名古屋大学にて「企業社会責任の経営学的研究」で経営学博士号を取得しています。1999年に青山学院大学を退職し、同大学の名誉教授となりました。その後、白鷗大学の教授も務めています。長年の教育・研究活動が評価され、1993年には藍綬褒章、1996年には横浜市功労者表彰、2010年には瑞宝中綬章を受勲しています。

森本氏の研究は、経営組織論を基盤としつつ、企業社会責任の概念を経営学の視点から深く掘り下げた点が特徴です。著書には、『経営組織論 課題と展開』、『経営学の原理』、『企業社会責任の経営学的研究』などがあり、経営学の理論と実践を繋ぐ多くの著作を世に送り出しました。また、放送大学の教材としても『経営組織論』や『経営学』を執筆しており、幅広い層への教育にも貢献しています。

共編著としては、『日本企業の経営活力』や『入門経営学』などがあり、他の研究者との共同研究も積極的に行いました。さらに、海外の経営学研究の翻訳にも携わり、ジェームズ・プライスの『組織効率』やケネス・J.アルバート編の『トップマネジメントと経営組織』を翻訳し、日本の経営学研究の発展に寄与しました。

森本三男は、経営学の分野において、研究、教育、社会貢献の三つの側面で顕著な業績を残した、日本の経営学界を代表する人物の一人と言えるでしょう。彼の研究は、現代の経営学においても重要な示唆を与え続けています。

主な著書

『経営組織論 課題と展開』（森山書店、1970年）
『経営組織論 系譜と基本問題』（丸善、1975年）
『経営学の原理』（中央経済社、1978年）
『公認会計士二次試験講座 5 経営学』（中央経済社、1978年）
『経営学入門』（同文館出版、1982年）
『経営組織論』（放送大学教育振興会、1987年）
『企業社会責任の経営学的研究』（白桃書房、1994年）
『経営学』（放送大学教育振興会、1995年）
『現代経営組織論』（学文社、1998年）

主な共編著

『日本企業の経営活力』（中央経済社、1984年）
『入門経営学』（実教出版、1984年）
『最新経営学基礎講座 3 経営組織』（中央経済社、1985年）
『経営戦略百科 1 経営者の基本戦略』（ぎょうせい、1988年）
『経営管理』（放送大学教育振興会、1990年）
『実践経営の課題と経営教育』（学文社、1999年）
『多次元的経営環境と経営教育』（学文社、1999年）
『日本的経営の生成・成熟・転換』（学文社、1999年）

主な翻訳

ジェームズ・プライス『組織効率』（産業能率短期大学出版部、1970年）
* ケネス・J.アルバート編『トップマネジメントと経営組織』（日本生産性本部、1983年）

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