森田久萬人

森田 久萬人の生涯と業績

森田久萬人（もりた くまんど）は、1858年8月26日に熊本藩士の鈴木家に生まれ、後に森田家の養子となった。彼は熊本県の上長野村で育ち、藩校の時習館にて和漢の学問を学んだ。1871年には熊本洋学校に入学し、卒業後にはそのまま教師として勤務を開始する。このようにして彼の教育者としてのキャリアが始まった。

1876年には当時の熊本バンドの仲間たちと共に同志社英学校に進学し、無事に卒業を果たした後、再び同志社の教師として働くことになった。教師としての活動を行う傍ら、彼は『六合雑誌』にて哲学や理学に関連する論文を発表し、自身の思想を広める努力も重ねていた。

その後、森田はイェール大学に留学し、著名な教授ジョージ・トランブル・ラッドのもとでさらに哲学を学んだ。特に、彼はヘルマン・ロッツェの哲学に魅了され、ロッツェの形而上学と仏教の教義を比較研究することで、博士号を取得する。その後1895年に帰国し、同志社神学校の教頭に就任した。

森田の晩年は、教育勅語の徳目とキリスト教倫理との対比に注力した。彼は忠国愛国の教育と敬神愛国の教育は相互に対立しないとする見解を示した。しかし、この考えに対して山川均は対立を主張し、二人の間には論争が生じることとなった。このような思想的な対立は、当時の日本における教育や倫理の在り方についての重要な議論を促進した。

1899年、森田久萬人は腎臓病により亡くなる。彼の死は、日本におけるキリスト教教育の発展に関する重要な一章の終わりを意味し、彼が残した教育的・哲学的な業績は後の世代に大きな影響を与えることとなった。

参考文献

• - 同志社々史々料編纂所 『同志社九十年小史』 学校法人同志社、1965年
• - 高橋昌郎 『明治のキリスト教』 吉川弘文館、2003年
• - 日本キリスト教歴史大事典編集委員会 『日本キリスト教歴史大事典』 教文館、1988年
• - 日本キリスト教歴史人名事典編集委員会 『日本キリスト教歴史人名事典』 教文館、2020年

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