森美千代

森美智代：青汁1杯の生活と不食の探求

森美智代さんは、1962年東京都生まれの鍼灸師です。順風満帆な人生を送っていた20代、脊髄小脳変性症という難病に襲われます。歩行困難になるなど、深刻な症状に苦しむ中、森さんは甲田光雄医師の指導の下、断食療法による治療を開始しました。

その結果、森さんは驚くべき回復を遂げます。そして、現在に至るまで青汁1杯のみという独自の生活スタイルを続け、健康を維持しています。この特異な生活は、医学界やメディアからも注目を集め、2010年には森さん自身を取り上げたドキュメンタリー映画『不食の時代』が公開されるなど、大きな話題となりました。

医学的検証と腸内環境

森さんの健康状態は、単なる偶然の一致とは言い切れません。腸内細菌の研究で知られる辨野義己博士は、森さんの腸内環境を詳しく分析しました。その結果、森さんの腸内にはクロストリジウム菌が、パプアニューギニアの高地に住む人々と同等の高い割合で存在していることが判明しました。

クロストリジウム菌は、通常は体にとって有害なアンモニアをアミノ酸に変換する能力を持つ菌です。森さんの場合、この菌が繊維を分解し、栄養を供給する役割を果たしていると考えられています。この研究成果は、英語圏の論文や国際フローラ学会で発表され、森さんの不食生活の医学的な裏付けとなっています。

さらに、辨野博士らは、野菜ジュースのみを長期間摂取する女性についての研究報告も行っています。この研究では、腸内細菌の多様性が非常に高く、未分類の菌種も多く含まれていることがわかりました。これらの研究は、森さんのような極端な食事制限でも健康を維持できる可能性を示唆しています。

甲田光雄医師との繋がり

森さんの健康への取り組みには、故甲田光雄医師の影響が大きく見られます。甲田医師は2008年に亡くなりましたが、森さんは現在も甲田医師との精神的な繋がりを感じていると語っています。具体的には、甲田医師の霊的な存在を感じたり、自動書記のような形でメッセージを受け取ったりするのだそうです。

この甲田医師との繋がりは、森さんの活動に大きな影響を与えています。例えば、森さんを介して甲田医師のメッセージを受け取った小林健さんは、甲田医師がかつて行っていた無農薬野菜の栽培や断食療法を継承する活動を始めました。そして、その活動の拠点として三重県に古民家を見つけるなど、森さんの存在が新たな活動を促す力になっていると言えるでしょう。

著述活動と社会貢献

森さんは、自身の経験や知見を活かし、数多くの著書を出版しています。代表的な著書には、『食べること、やめました』『「食べない」生き方』『「おうち断食」で病気は治る』などがあり、これらは多くの人々の健康意識を高めることに貢献しています。

また、森さんは町田宗鳳氏、比嘉照夫氏、白鳥哲氏らとの共著も発表しており、健康や食生活、スピリチュアルなテーマなど、幅広い分野で活躍しています。これらの著書は、森さんの独自の視点と経験に基づいた貴重な情報源となっています。

さらに、森さんに関するドキュメンタリー映画『不食の時代』は、多くの視聴者に衝撃と感銘を与え、森さんの生活スタイルへの関心を高めました。映画では、女優の山田まりやさんが森さんを演じており、より多くの人々に森さんの存在を知らしめる契機となりました。

森美智代さんの生き方は、私たちに健康と食生活について深く考えさせるものです。青汁1杯という極端な生活スタイルは、必ずしもすべての人に推奨できるものではありませんが、彼女の経験と研究成果は、健康維持への新たな視点を与えてくれます。そして、その活動は、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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