森脇保彦

森脇保彦

森脇保彦（もりわき やすひこ、1952年5月7日 - ）は、日本の柔道家（八段）。広島県出身。国士舘大学教授・柔道部長として後進の指導にあたる。

生い立ちと柔道との出会い

1952年、広島市から車で1時間ほどの山県郡加計町（現・安芸太田町）で生まれた。幼少期に父親を亡くし、母親と祖父が炭焼きで生計を立てていた。山間部で育ったため、自然と足腰が鍛えられた。

中学校入学後、東京オリンピックでの遠藤幸雄の活躍に憧れ、体操部を希望したが、柔道部に入部。『柔道一直線』の影響もあった。中学校は柔道の強豪校で、夜遅くまで練習に打ち込んだ。石黒敬七の著書『図解 柔道上達のコツ』との出会いが、その後の柔道人生を大きく変えた。

崇徳高校、そして国士舘大学へ

広島市の柔道名門、崇徳高校へ進学。厳しい稽古に耐えかねて柔道部を辞めようとしたこともあった。軽量級の先輩には、インターハイで優勝した川口孝夫と南喜陽がおり、プレッシャーを感じながらも、1970年のインターハイ軽量級個人で優勝を果たした。

高校卒業後は、中学時代の恩師の推薦により国士舘大学へ進学。大学ではなかなか芽が出ず苦労したが、東京学生体重別選手権での準優勝をきっかけに頭角を現し、千葉国体では川口孝夫と引き分ける健闘を見せた。

1974年には、世界大学選手権の軽量級代表に選出され、優勝。日の丸を背負う喜びを噛み締めた。

世界へ、そして指導者へ

大学卒業後は、母校・国士舘大学の教員となる。講道館杯や全日本選抜体重別選手権で実績を重ね、軽量級の第一人者として活躍。1977年の世界選手権代表に選出されるも、大会が中止となる不運に見舞われた。

1979年の世界柔道選手権大会（パリ）で銅メダルを獲得。翌1980年のモスクワオリンピック代表選考を兼ねた全日本選抜体重別選手権で優勝するも、日本はオリンピックへの不参加を表明し、“幻の五輪代表”となった。

29歳で迎えた1981年の世界選手権（マーストリヒト）で優勝し、遂に世界チャンピオンの座を手にした。

引退後は、国士舘大学で教鞭を執り、体育学部の教授として、また柔道部の部長として後進の指導にあたっている。1999年には、少年柔道の育成を目的とした『用賀柔道クラブ 柔友館』を創立し、師範として柔道の普及に尽力している。

主な戦績

1970年 - インターハイ 優勝
1974年 - 世界学生柔道選手権大会 優勝
1977年, 1980年 - 体重別 優勝
1979年 - プレオリンピック大会 優勝
1979年 - 世界柔道選手権大会 3位
1981年 - 世界柔道選手権大会 優勝

所属学会

日本体育学会
日本応用心理学会
日本武道学会

外部リンク

森脇保彦 - JudoInside.com のプロフィール（英語）

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