森脇浩司

森脇浩司の軌跡

森脇浩司（もりわき ひろし）は、1960年8月6日に兵庫県多可郡黒田庄町（現・西脇市）で生まれた元プロ野球選手であり、内野手、コーチ、監督、解説者としても活躍した人物である。彼の愛称は「モリさん」である。

経歴の始まり

森脇は社高校時代に強肩の遊撃手として名を馳せ、1976年には130mの遠投を記録したが、これは近鉄バファローズのスカウトを驚かせるほどのものであった。1978年にドラフト2位で近鉄バファローズに入団し、プロの道を歩み始める。

近鉄時代

1981年には一軍初昇格を果たし、13試合に先発出場。打率は.316を記録し、その実力を証明した。彼は野球に対する情熱が強く、研究熱心だったことも特徴として知られ、ファンからは「第二の梨田」と呼ばれた。しかし、1982年には怪我に悩まされ、定位置を失うことになる。それでも1983年に復活を遂げるが、再び怪我が彼を襲った。1984年には広島東洋カープへ移籍することになる。

広島・南海・ダイエー時代

広島では1986年のキャンプ中に怪我をし、6試合の出場にとどまった。1987年には南海ホークスへ移籍し、そこでも主要な選手として活動した。1989年に福岡ダイエーホークスに球団名が変更され、ユーティリティープレイヤーとして活躍。1996年には現役を引退した。

引退後のキャリア

森脇は引退後も野球界に留まり、コーチや監督としてのキャリアを築いていった。ソフトバンクでは数多くの役職を歴任し、2006年には王貞治監督のもとで監督代行を務めることになった。リーグ優勝を逃したことについて、自身の責任を感じていた。また、彼は多くの選手を育て上げ、特に井口資仁や川﨑宗則、本多雄一らを指導した。

2012年にはオリックス・バファローズのチーフコーチに就任し、最終的には監督代行を経験。その後オリックス監督へと昇格したが、2015年の成績不振により解任されることとなった。これを受けてシニアアドバイザーとして活動し、次に中日ドラゴンズで内野守備・走塁コーチを務めた。特に京田陽太の指導に力を入れ、新人王を獲得させるなどの成果を上げた。

その後、福岡工業大学で特別コーチをつとめ、最終的には千葉ロッテマリーンズでヘッドコーチとして活躍。2022年には再び資格を得て、社会人野球チーム「FTサンダース」のゼネラルマネージャーに就任した。

エピソード

森脇は非常に人気の高い選手で、当時は「球界の草刈正雄」と呼ばれたこともある。彼のチームメイトである津田恒実との深い友情は有名で、津田が闘病する際には献身的に支えた。また、結婚式では津田の席も用意し、彼を思いやる姿勢を見せた。

このように森脇浩司は選手としての輝かしいキャリアだけでなく、指導者としても多くの選手を育て上げてきた。また、彼の人柄と周囲への深い配慮も併せ持ちながら、今後も野球界に寄与し続ける存在であろう。

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