植上健治

植上健治：甲子園を沸かせた悲運の野球人

植上健治（うえがみ けんじ、1955年5月20日 - 1995年2月16日）は、徳島県徳島市出身の元プロ野球選手。投手として阪神タイガース、クラウンライターライオンズに在籍。引退後は、西武ライオンズ（クラウンライターライオンズから球団名変更）で打撃投手、スコアラーを務めた。

甲子園での活躍

植上は香川県立高松商業高等学校のエースとして、1973年の春夏の甲子園に連続出場を果たした。春の選抜では1回戦で向陽高校を完封するも、2回戦で鳴門工業に敗退。夏の甲子園では、1回戦で取手一高に延長サヨナラ勝ち、2回戦も京都商業に完封サヨナラ勝ちと劇的な勝利を重ねた。3回戦では銚子商業のエース土屋正勝と投げ合い、6回に3点を先制したが、7回に逆転され敗退。木製バット最後の夏となったこの大会で、植上は重い速球とシュートを武器に、強打者として名を馳せた。

プロ野球選手として

1973年のドラフト2位で阪神タイガースに入団。しかし、1年目の春季キャンプで肩と肘を故障し、出遅れてしまう。その後、ウエスタンリーグで2勝を挙げるものの、一軍での登板機会には恵まれず、1977年オフに金銭トレードでクラウンライターライオンズへ移籍。しかし、ライオンズでも出場機会を得られず、1979年限りで現役を引退した。

引退後

現役引退後は、ライオンズで打撃投手としてチームを支えた。1985年からはスコアラーに転身し、チームの戦略に貢献。1994年には再び打撃投手に就任。しかし、1995年、ハワイのマウイ島で行われた春季キャンプ中に、ミーティング中に心臓発作で急逝。39歳という若さだった。

選手情報

ポジション：投手
投打：右投右打
背番号：
36（1974年 - 1977年：阪神）
55（1978年 - 1979年：クラウンライター）
60（1980年：西武）
87（1981年：西武）
96（1982年 - 1984年：西武）
* 01（1994年 - 1995年：西武）

植上健治という男

植上健治は、甲子園での輝かしい実績を持ちながらも、プロの世界では不遇だった。しかし、引退後も野球への情熱を失わず、ライオンズを支え続けた。短い生涯だったが、野球への愛とチームへの献身は、多くの人々の記憶に残っている。彼の突然の訃報は、球界関係者に大きな衝撃を与え、惜しまれた。

植上の野球人生は、決して平坦なものではなかったが、常に前向きに、ひたむきに野球に取り組む姿勢は、多くの人々に勇気を与えた。甲子園での活躍、プロ野球選手としての苦悩、そしてチームを支える裏方としての献身。植上健治は、野球を愛し、野球に生きた男だった。

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