植村美奈子

植村 美奈子

京都府福知山市に生まれ育った植村美奈子は、日本の女子野球界で異彩を放つ左腕投手です。幼少期から野球に親しみ、プロリーグでの華々しい活躍を経て、現在は女子硬式クラブチームである阪神タイガース Womenの一員としてプレーを続けています。

幼少期からプロの扉を開くまで

二人の兄に影響を受け、小学校入学と同時に地元の庵我少年野球クラブで野球を始めました。当初は一塁手でしたが、3年生からは投手に転向。桃映中学校ではソフトボール部への入部を考えていましたが、廃部となっていたため軟式野球部に入部。男子部員が大半を占める環境にあって、1年生ながら新人総体でエースを任されるなど、その才能を早くから開花させました。

その後、野球への情熱をさらに燃やすべく、女子硬式野球部の強豪である鹿児島県の神村学園高等部へ野球留学。高校時代には、第10回全国高等学校女子野球選抜大会で最優秀防御率を獲得するなど、投手としての実力を磨きました。卒業後の進路として当初は大学進学を考えていましたが、日本女子プロ野球機構（JWBL）の試合で活躍する高校の先輩の姿を目の当たりにし、プロの道を志すようになりました。

2010年、JWBLの第二回トライアウトに挑戦し見事合格。同年12月20日に行われたコンベンションで、兵庫スイングスマイリーズへの加入が発表され、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

日本女子プロ野球リーグでの輝かしいキャリア

プロ初登板は2011年4月9日の対京都アストドリームス戦。この試合で初先発、初完投勝利を飾り、18歳2ヶ月というGPBL史上最年少での完投勝利という金字塔を打ち立てました。

プロ2年目となる2012年シーズンは、前年からの先発投手が相次いでチームを離れる中、植村選手はエースとしてフル回転。チームを牽引し、ジャパンカップ優勝の原動力となるとともに、大会最優秀選手賞を受賞する活躍を見せました。

JWBLでは、兵庫スイングスマイリーズ（後にディオーネに名称変更）、京都フローラといった球団でプレー。その間、リーグを代表する投手へと成長を遂げ、2019年には最多勝利投手、最高勝率、最多奪三振の投手三冠を達成。さらに、2015年と2019年にはベストナインにも選出されるなど、数々のタイトルと栄誉を獲得しました。また、プロ野球人生の中で、200奪三振、300奪三振といった節目の記録も樹立しています。

現在、そしてプレースタイル

2020年シーズン限りでJWBLを退団した植村選手は、2021年から新たに始動した女子硬式クラブチーム、阪神タイガース Womenに入団。現在もチームの中心選手としてプレーを続けています。

植村選手の最大の武器は、左腕から投げ込まれる最速120km/hの力強い速球です。これに加えて、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットと、多彩な変化球を巧みに操り、打者を翻弄します。その経験豊富な投球術と安定した制球力で、チームの勝利に貢献しています。

プライベートでは、2023年3月6日に結婚を発表しました。

長年にわたり女子野球界の第一線で活躍し続ける植村美奈子選手は、その卓越した技術と強い精神力で、多くのファンを魅了しています。今後のさらなる活躍が期待される選手です。

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