植澤利次

植澤利次氏の外交官としての軌跡と、その終焉

植澤利次氏は、日本の外交官として長年活躍した人物です。大阪府出身で、1977年に大阪外国語大学（現在の大阪大学外国語学部）を中退後、外務省に入省しました。

キャリアの初期と、経済協力分野での貢献

外務省では、経済協力局技術協力課長などを歴任し、開発途上国への技術協力に尽力しました。2006年には在インド日本国大使館参事官として、日印間の関係強化に貢献しました。その後、2007年には駐ナイジェリア特命全権大使に任命され、外交官としてのキャリアをさらに積み重ねました。

国際協力機構での活動

2011年には国際協力機構（JICA）に移り、総務部長、そして2013年には理事として、日本の国際協力政策の推進に貢献しました。JICAでは、開発途上国への資金協力や技術協力の実施に携わり、国際協力の現場で重要な役割を果たしました。

駐ケニア特命全権大使としての赴任と、予期せぬ事態

2016年、植澤氏は駐ケニア特命全権大使に任命され、国際連合環境計画（UNEP）常駐代表、国際連合人間居住計画（UN-Habitat）常駐代表、さらには駐エリトリア、駐セーシェル、駐ソマリアの各特命全権大使も兼任し、アフリカ地域における日本の外交活動を担いました。しかし、在任中にセクシャルハラスメントの嫌疑が生じ、その結果、2019年に内規に基づく最も重い処分である厳重訓戒（停職12カ月相当）を受けました。

この処分は、特別職国家公務員である植澤氏が、国家公務員法による懲戒処分が適用できなかったために行われたものです。この問題により、植澤氏は国家公務員としての信用を著しく損なう行為を行ったと判断されました。さらに、1096万円を自主返納し、依願退官することとなりました。退職手当は支払われましたが、その職を離れることとなりました。

現在の活動

2020年からは、アフリカ開発協会の特別参与として、アフリカの発展に貢献する活動を続けています。外交官としてのキャリアを終えた後も、アフリカ地域への関与を継続しています。



植澤利次氏の外交官としてのキャリアは、輝かしい実績と同時に、予期せぬ形で幕を閉じることとなりました。しかし、その経験と知識は、現在のアフリカ開発協会での活動に活かされ、国際社会への貢献は続いています。

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