椎田駅

椎田駅：築上町の玄関口、歴史と現代が交差する駅

福岡県築上郡築上町に位置する椎田駅は、九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線沿線にある駅です。築上町役場への最寄り駅として、地域住民にとって重要な役割を担っています。特急列車を除く全ての列車が停車するため、アクセス面でも利便性が高いと言えるでしょう。

歴史を刻む軌跡

椎田駅の起源は古く、1897年（明治30年）9月25日に豊州鉄道の開業にまで遡ります。その後、1901年（明治34年）に九州鉄道に買収され、1907年（明治40年）には国有化、帝国鉄道庁の管理下に置かれました。

時代の移り変わりとともに、1961年（昭和36年）に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止されました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によって、JR九州へと引き継がれ、1989年（平成元年）には「みどりの窓口」が設置されました。

駅施設の改良も進められ、2006年（平成18年）にはホームの嵩上げ工事が行われました。2009年（平成21年）からはICカードSUGOCAの利用が開始され、利用者の利便性が向上しました。

近年では、2022年（令和4年）4月1日に業務委託駅から簡易委託駅へと変更されました。当初は3月12日に無人化される予定でしたが、3月31日までの間、JR九州グループの社員が派遣され、案内業務などが行われました。

駅の構造と設備

椎田駅は、地上駅で単式ホーム2面2線の構造を有しています。互いのホームは跨線橋で連絡されており、バリアフリー対策も考慮されています。日豊本線の東側に駅舎があり、駅舎に面した1番線が下り線ホーム、跨線橋を渡った先の2番線が上り線ホームとなっています。かつては1番線と島式ホームの間に中線がありましたが、現在は撤去されています。2006年のホーム嵩上げ工事により、利用者の安全と快適性が向上しています。

駅舎は木造建築で、温かみのある雰囲気を醸し出しています。現在、築上町が駅業務を受託する簡易委託駅となっており、きっぷうりばが設置されています。自動改札機はありませんが、簡易SUGOCA改札機とチャージ機が設置されているため、SUGOCAの利用が可能です。ただし、SUGOCAカードの販売は行っておらず、チャージのみの対応となっています。

近年では、JRグループのCM『ニッポンをつなぐ物語「親父のいる駅」篇』のロケ地としても利用されました。

利用状況と周辺環境

椎田駅は北九州の通勤通学圏内に位置しており、ラッシュ時には小倉方面への利用客が多く見られます。特に、築上西高校の最寄り駅であるため、朝夕の時間帯は多くの高校生が利用しています。

駅周辺には、築上町役場をはじめ、様々な施設が立地しており、地域の中心的な役割を果たしています。

隣の駅

日豊本線
快速（上り）：築城駅→椎田駅→宇島駅
普通：築城駅-椎田駅-豊前松江駅

椎田駅は、歴史と現代が融合した、地域に密着した駅です。これからも、築上町の発展を支える重要な拠点として、その役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索