検注

検注とは

検注（けんちゅう）は、日本の古代後期から中世にかけて実施されていた土地調査の制度です。この制度は、荘園公領制に基づき、国司や荘園領主が公領や荘園を管理するために行われました。検注の主な目的は、土地の面積を測定し、田畠や桑、山野、在家などの状態を確認することでした。

検注の目的と種類

土地の丈量を行うことで、年貢や公事、夫役といった租税が適切に徴収されることを確立しました。検注には、目的や方法に応じていくつかの種類が存在します。主なものに立券検注、荘内検注、正検注（大検注）、内検注、居合検注があります。

立券検注

立券検注は、荘園が成立し、朝廷や国司によってその権利が承認された際に行われました。ここでは、特定の領域を明示化し、領域の境界を確定させるための活動がおこなわれました。

荘内検注

荘内検注は、立券後に新たに開発された土地が存在しないかを確認するために実施されます。発覚した場合、租税が徴収され、荘園側が不満を抱くこともしばしばありました。

正検注

正検注は、荘園や国司の変動や重大な変化が発生した場合に正式に行われる検注で、一定の年限ごとにも実施されました。この検注によって曖昧な土地状況が明確化され、租税額が決定されることとなります。

内検注と居合検注

内検注は災害などで土地に被害が生じた際、住民が提出した被害状況を確認するために行われるものです。これにより、年貢の減免が可能となる場合もあります。一方、居合検注は過去の検注帳の内容を引き継いで実施されるもので、住民や領主の間の妥協策として機能しました。

検注の特徴

古代の検注は、中世の検地と同じような目的や手法を持っていましたが、いくつかの重要な違いがあります。検田では田籍だけでなく田図を作成しましたが、検注では検注帳のみが用いられました。また、災害時に実施される手法も異なっていました。検注活動自体は通常27日間かかるとされ、現地滞在中は住民が検注使をもてなすという慣習も存在しました。

検注と土地の実態

検注の実施後には、実際の土地利用や状況が開始された時のものと異なることがありました。例えば、新たに開発された土地が届け出されず、そのまま隠田として放置されることもありました。検注により隠田が発覚すると厳しい罰則が科されることもあり、住民たちは検注の実施時に抵抗や工作を行うこともありました。

結論

検注は、日本の古代から中世にかけての土地管理の重要な側面でしたが、時代が進むにつれて荘園公領制が弱体化し、住民側からの内検注申請の動きが活発になりました。この中で、検注はただの租税徴収の手段にとどまらず、社会の力関係や利益分配を反映する重要な制度であったと言えるでしょう。

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