楠見義男

楠見義男の生涯と業績

楠見義男（くすみ よしお）は、1905年3月24日に兵庫県で生まれ、1996年2月2日に90歳で亡くなった日本の政治家です。彼は主に官僚としてのキャリアを積み上げ、その後参議院議員として活躍しました。彼の人生は日本の戦後政治において重要な役割を果たしました。

学歴と官僚キャリア

楠見は東京帝国大学法学部政治学科を1928年に卒業し、同年に農林省に入省しました。官僚としての彼の経歴は多岐にわたり、大臣官房秘書課長や農林省の各局の役職を歴任しました。特に、満洲国産業部参事官兼理事官や農林省総務局長など、重要なポジションでの経験が彼の政治的視野を広げました。

参議院議員としての活動

1947年、楠見は第1回参議院議員通常選挙に全国区から無所属で立候補し当選しました。彼はその後、緑風会に入党し、国会内では農林委員長を務め、農業政策に関する議論において重要な役割を果たしました。1953年の第3回参議院議員通常選挙でも再選されたものの、彼の当選は一時的に取り消され、その後の再選挙で落選するという波乱の展開を迎えます。

農林中央金庫理事長とその後の問題

議員を失職した後、1956年には農林中央金庫の理事長に就任しましたが、1966年に発覚した共和製糖事件に関連し、融資の見返りに物品を受け取っていたことが問題となりました。これにより理事長を辞職することとなり、法律違反の疑念も生じましたが、辞職が考慮され起訴は猶予されました。

栄誉と死去

楠見は1975年の春に勲一等瑞宝章を受章し、長い政治キャリアの末にその貢献が認められました。1996年に亡くなった際、彼は正五位から従三位に叙されました。彼の墓所は多磨霊園にあります。

まとめ

楠見義男の人生は、日本の農林政策や政治の変遷を映し出す重要なものでした。彼の経験は、戦後日本における政治の形成に影響を与え、彼自身も多様な役職を通じてその時代の中枢に関わる人物として歴史に名を残しました。彼の業績は政治家としての一面だけでなく、官僚としての側面も含めて評価されています。

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