業務トラック

業務トラックについての詳細

業務トラック（ぎょうむとらっく）は、自衛隊によって使用される物資輸送専用のトラックを指します。これは、自衛隊の制式車両である73式中型トラックや73式大型トラックとは異なる運用がなされています。

特徴

業務トラックは設計が民間のトラックに近いことが特徴です。外観はOD色（オリーブドラブ色）という自衛隊特有の色合いですが、他の仕様は一般的なトラックと大差ありません。このトラックには様々な種類があり、主に「トラック 2 1/2t 4×4 / 4×2」や「トラック3/4t 4×4 / 4×2」といった表記で表されますが、実際には「業務トラック」という名称で呼ばれることが一般的です。

このトラックは民生品を基本としているため、素人には判別が難しいですが、最大の特徴は荷台が自衛隊専用に設計されている点です。外観は一般のトラックと見分けがつきづらく、そのため塗装以外での違いを識別するのは困難です。

特に幌仕様車が多く見られ、これは人員の輸送にも対応可能で、荷台に約十人が乗ることができる構造です。このような車両には、73式中型トラック同様の折り畳み式木製ベンチシートが設置されています。

陸上自衛隊では主に2×4駆動の4tトラックが利用されていますが、積雪地域では総輪駆動の4t車両も配備されています。また、海上自衛隊や航空自衛隊では、異なる仕様のトラックが使用されており、用途に応じて様々なタイプが考慮されています。海上自衛隊では、2tの幌タイプや4tのアルミバンタイプ、さらには基地内専用の軽トラックなどが存在します。これらの車両には、ほとんどが自衛隊用の特別なナンバープレートが装着されていますが、一般的なナンバープレートを使用している車両も見られます。

楽器運搬車

陸上自衛隊の音楽隊が使用する業務トラックは、荷台に楽器輸送用のコンテナが取り付けられた特別な仕様となっています。また海上自衛隊では、車両の外観は民生品のままの状態で、コンテナに艦艇や航空機のイメージが印刷された「楽器運搬車」が運用されています。これも正式にはトラック 2 1/2t 4×4 / 4×2として分類されます。

調達と製造

業務トラックの製造は、民間企業により行われます。具体的には、UDトラックス（旧：日産ディーゼル）、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バスなどが関与しています。調達は競争入札によって行われるため、様々なメーカーのトラックが自衛隊の車両群に混在しています。

まとめ

業務トラックは自衛隊が効率的に物資を輸送するために不可欠な車両です。民生品の特性を活用しつつも、自衛隊の要求に応じた特別な設計が施されており、さまざまな用途に応じた柔軟な運用がされています。

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