極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝

極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝

『極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝』は、武論尊・原哲夫（原案）、ヒロモト森一（作画）による漫画作品です。週刊コミックバンチにて2009年に連載されました。

概要

本作は、『北斗の拳』に登場する北斗四兄弟の三男、ジャギを主人公としたスピンオフ作品です。本編では語られなかったジャギの過去、彼が抱える劣等感、苦悩、そして邪悪へと変貌していく過程が詳細に描かれています。原作では悪役として描かれることの多かったジャギですが、本作では彼の内面や葛藤に焦点を当て、より人間味あふれるキャラクターとして再構築されています。

あらすじ

物語は、核戦争後の荒廃した世界を舞台に始まります。ケンシロウの名を騙り、人々を苦しめるジャギ。しかし、かつての彼はリュウケンを慕う普通の少年でした。リュウケンの後継者候補として迎えられたラオウとトキの登場、そしてケンシロウの参入が、ジャギの運命を大きく狂わせていきます。伝承者争いから外された彼は、劣等感と絶望に苛まれ、次第に狂気を帯びていくのです。

登場人物

ジャギ
本作の主人公。北斗四兄弟の三男。リュウケンの養子であり、北斗神拳の伝承者候補でしたが、兄弟の中で最も遅れて候補となり、劣等感から性格が歪んでいきます。アンナとの出会いと別れを経て、精神的に崩壊し、ケンシロウへの復讐を誓います。

リュウケン
北斗神拳第63代伝承者。ジャギを実の子として愛情深く育てますが、伝承者としては認めませんでした。ジャギに寺院を焼かれても、最後まで彼を息子として想い続けます。

ラオウ
北斗四兄弟の長兄。強い野心を持ち、リュウケンやジャギを見下しています。

トキ
北斗四兄弟の次兄。優しく、ジャギやケンシロウを気遣いますが、結果的にジャギの不信を買うことになります。

ケンシロウ
北斗四兄弟の末弟。後の第64代伝承者。幼いながらも伝承者候補として迎えられ、ジャギの憎悪の対象となります。

シバ
白蛇拳の使い手。北斗寺院に道場破りに現れ、ジャギに敗れます。この戦いが、ジャギが正式に伝承者候補となるきっかけとなります。

アンナ
暴走族の少女。家出中のジャギと出会い、友情を育みます。彼女の存在は、ジャギにとって一時の心の安らぎとなりますが、悲劇的な運命に見舞われ、ジャギの心を深く傷つけます。

ボス
暴走族のリーダーで、アンナの兄。ジャギに助言を与えます。

クレージーズ / モヒカン団
ボスやアンナの組織と敵対する暴走族。核戦争後、凶悪な野盗「モヒカン団」へと転身し、アンナを殺害したことでジャギと対立します。

ジャギの技

北斗羅漢撃
リュウケンから伝授された奥義。変幻自在の突きを繰り出します。負の感情を捨てた者のみ極められるとされます。

* 北斗千手殺
ジャギが独自に編み出した技。跳躍しながら無数の突きを放ちます。原作よりも強化された描写がされています。

まとめ

『極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝』は、ジャギというキャラクターの深層心理に迫り、彼の内面を掘り下げた作品です。原作とは異なる視点から北斗の拳の世界を捉え、より重厚でドラマチックな物語が展開されます。ジャギの苦悩や葛藤を通して、人間の心の闇や光を描き出した、見応えのある作品と言えるでしょう。

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