極楽夫婦

『極楽夫婦』



『極楽夫婦』は、1969年6月9日から6月20日まで NHK「銀河ドラマ」枠で放送された連続テレビドラマで、当時の作品としては珍しい白黒映像による全10回の構成となっています。この作品は、田辺聖子富士正晴の二つの物語を合わせたもので、茂木草介が書き下ろして演出しました。舞台は大阪であり、明治から昭和にかけての上方の寄席お囃子界を背景に、主人公の女性が波乱の人生を歩む様子が描かれています。

物語の概要


物語は、明治45年に遡ります。主人公の噺家・楽丸とその妻であるみねは、難波の大火によって一緒に避難所で知り合います。その後、楽丸の家の家事を手伝いながら自然な流れで結婚し、家庭を築くこととなります。しかし、楽丸の性格はお人好しでありながら浮気性で、みねは結婚後に多くの心労を抱えることになります。貧乏に耐えながらも弟子たちを支え、家庭を切り盛りするみねとの対比で、楽丸の浮気の騒動が物語に緊張感を与えています。

特に印象的なのは、楽丸の浮気相手が妊娠したことが明らかになる場面です。これにより、みねはさらに心の痛みを味わい、厳しい現実と向き合うことになります。このように、物語は愛と裏切り、そして女性の強さをテーマにしています。

キャスト


メインキャストは次の通りです。

制作スタッフ


このドラマの制作には多くの才能が集まりました。原作は田辺聖子富士正晴、脚本を担当した茂木草介は、物語の核となるテーマをしっかりと描き切りました。また、音楽は奥村貢が手がけ、監督は椿恭造と北村充史が担当しました。制作は境正顕が行いました。

『極楽夫婦』は、ただのドラマではなく、日本の上方芸界を支えてきた女性の人生を描いた貴重な作品です。波乱万丈のストーリーや、キャストの演技力が結集し、視聴者の心に深く残る内容となっています。

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