極道の妻たち 情炎

極道の妻たち 情炎 (2005)

『極道の妻たち 情炎』は、2005年に公開された日本映画。人気シリーズ「極道の妻たち」の第15作目にあたる作品で、高島礼子が主演を務めています。監督は橋本一。

あらすじ

舞台は兵庫県。ヤクザ組織・菅沼組の跡目争いを軸に、男たちの野望と、それに翻弄される女たちの愛憎が描かれます。

菅沼組では、組長の体調を考慮し、後継者選びが進められていました。幹部たちは若頭・河本一兆を推しますが、傘下の西郷組女組長・西郷波美子（高島礼子）は、現組長を軽んじる幹部会の姿勢を批判し、反対します。夫亡き後、組を守ってきた波美子は、義弟・西郷恭平に組を継がせたいと考えていました。

河本の妻・蘭子は、波美子が恭平を菅沼組の跡目にしようとしていると警戒し、河本は大阪のヤクザ・長嶺昇三に協力を求めます。そんな中、波美子の前に「夫を探しに来た」という韓国人女性・白英玉が現れます。彼女が探す夫とは、河本だったのです。

一方、菅沼組組長代行は、波美子に恭平を跡目にしたいと告げます。そんな折、恭平が襲撃され、偶然居合わせた英玉が彼を救います。波美子は、この襲撃が夫の死と同じ手口であることに気づき、背後に潜む陰謀を疑います。

英玉の存在を知った蘭子は、長嶺の情婦となり、事態はさらに複雑化していきます。高級クラブの開店祝いに集まった波美子、河本、長嶺、英玉。それぞれの思惑が交錯する中、長嶺は恭平を自分の手で育てると言い出します。波美子はそれを牽制し、恭平が菅沼組を継ぐ予定だと告げます。

その後、恭平は河本に跡目を継ぐ決意を伝え、協力を願い出ます。かおりと婚約した恭平は、菅沼組の本宅で組長に跡目継承と婚約を報告。しかし、その帰り道、恭平は襲撃され、かおりが命を落とします。波美子と英玉は、襲撃が河本、長嶺、蘭子の仕業だと知り、復讐を決意します。そして、菅沼組長の葬儀の場で、波美子は刀を手に、復讐の鬼と化すのでした。

キャスト

西郷波美子：高島礼子
白英玉：杉本彩
西郷恭平：山田純大
かおり：前田愛
河本一兆：保坂尚輝
河本蘭子：未向
長嶺昇三：松重豊
菅沼たつお：大木実

スタッフ

監督：橋本一
原作：家田荘子
脚本：高田宏治
音楽：吉川清之

特徴

本作は、シリーズの中でも異色の作品として知られています。従来の「極妻」シリーズとは異なり、ドスや拳銃を使った派手な抗争シーンは控えめで、人間ドラマに重点が置かれています。高島礼子演じる波美子の内面の葛藤や、愛する者を守るために戦う姿が、より深く掘り下げられているのが特徴です。

また、杉本彩演じる白英玉の存在も、本作の魅力を引き立てています。過去を背負いながらも、強く生きようとする彼女の姿は、観る者の心を掴みます。

シリーズファンはもちろん、人間ドラマが好きな方にもおすすめの作品です。

もう一度検索