極限脱出ADV 善人シボウデス

『極限脱出ADV 善人シボウデス』は、チュンソフトから2012年にNintendo 3DSとPlayStation Vita向けにリリースされたアドベンチャーゲームで、極限脱出シリーズの第二作目です。この作品は、チュンソフトがスパイクと合併する前の最後のゲームとなりました。シリーズ第一作『極限脱出 9時間9人9の扉』を収録した「ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉善人シボウデスダブルパック」が2017年に発売され、そこではPS4・PS Vita版が4月13日、PC版が3月25日、さらにはXbox OneやPC版のリリースが2022年に行われました。

ゲーム概要

本作は、前作に引き続きアドベンチャーゲームとしてシナリオを進めながら脱出ゲームの要素も持ち合せていますが、前作と異なり3D表示により、脱出パートがより立体的に表現されています。キャラクターも2Dの立ち絵から3Dモデルに変更され、ストーリーはフルボイスで展開されます（ただし、脱出パートや一部のシナリオは対象外です）。

本作は前作同様、プレイヤーの選択がシナリオに分岐をもたらしますが、特に複数のルートが相互に関連し合っているため、一つのルートだけを進めることでは十分な謎を解明することができません。物語が進むに連れてシナリオに「シナリオロック」がかかる場面があり、このロックを解除するためには別のルートを進めて条件を満たす必要があります。得た情報を別のルートで活用することもあるため、プレイヤーは柔軟にクリア手法を考えることが求められます。ゲーム内には、シナリオの分岐を示したフローチャートが用意されており、既に読んだシーンへスムーズにジャンプできる設計です。

しかし、全ての謎を解明することなくエンディングを迎えることが多く、物語としては完結せずに謎が残されることになります。

ストーリー

物語は、男子大学生のシグマが何者かに監禁された施設で目覚めるところから始まります。彼の前には、謎の少女ファイを含む8人の仲間がいます。彼らもまた、シグマと同様にその施設に囚われています。突如、ウサギの姿をしたゼロ3世が登場し、脱出には「ノナリーゲーム・アンビデックスエディション」に挑む必要があると告げます。

このゲームにおいては、プレイヤーそれぞれが「バングル」と呼ばれる腕輪を着用し、その中に表示されるバングルポイント（BP）に基づいて行動が制約されます。ルール違反やBPがゼロになると、プレイヤーは命を落としてしまう危険があります。そのため、プレイヤーは協力しながらも互いに裏切る関係性が生じるのです。

また、作中に存在する「ノナリーゲーム・アンビデックスエディション」では、プレイヤー同士が対戦し、選択の結果によってBPが増減します。協力することで得られる利点や、裏切りによって得られるメリットなど、選択肢は多岐にわたります。このような緊張感と共にプレイヤーは脱出を目指し、協力をしながらも時に裏切るような状況に直面していきます。

主要キャラクターたち

物語にはシグマの他、多様なキャラクターたちが登場します。ファイは冷静かつ知的な少女で、シグマの知人である様子が伺えます。シグマの仲間であるディオは派手な衣装の男であり、自己中心的な行動が目立ちます。他にも天明寺やクォーク、ルナといったキャラクターたちも、それぞれ異なった性格や背景を持っています。この多様なキャラクターの交流と葛藤が、本作の深いストーリーに彩りを与えています。

本作は、選択肢による緊張感やキャラクター間の人間模様を描くことで、プレイヤーに独自の体験を提供しています。そして、未解決の謎を抱えたまま続く物語は、多くのファンにとっての魅力となっています。このように『極限脱出ADV 善人シボウデス』は、サスペンスやミステリー要素が凝縮された作品として、プレイヤーを魅了し続けています。

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