楼継偉

楼継偉：中華人民共和国の政治家と改革派

楼継偉（ろう けいい）は、1950年12月24日に浙江省義烏県で生まれた中華人民共和国の著名な政治家である。彼は数々の重要な役職を歴任し、現在でもその影響力は大きい。特に財政部長としての在任期間は、改革派の代表として市場経済の推進に寄与したことで知られている。

経歴

楼は1968年から中国人民解放軍に加入し、南海艦隊での軍務を経て1973年に退役。その後、北京首鋼グループに入り、北京自動化研究所で働いた。1978年には清華大学に入学し、計算機を専攻。その後、中国社会科学院研究生院に進学した。彼のキャリアは国務院や中国社会科学院での職務を通じて着実に進展。

1988年から1992年の間、上海市経済体制改革弁公室の副主任を務めた。1995年には貴州省の副省長に就任し、その後も国務院の副秘書長、中国投資有限責任公司の董事長など、多数の要職を歴任。2013年からは李克強内閣で財政部長として活躍していたが、2016年11月には解任される。彼は自らの在任中に政府の統計データに疑問を呈し、他の元閣僚とは一線を画す姿勢を示した。

改革の推進

楼継偉は、その意見を率直に述べるスタイルで知られる。この特徴は、彼の解任の要因の一つともされている。彼は市場経済を志向しており、その立場から中国の経済政策を批判することもあった。2018年には「中米は宿命の夫婦であり、互いに切り離せない存在」と述べ、両国の関係を重視する姿勢を示した。

さらに、2019年には習近平政権が推進する「中国製造2025」を政策理念として批判する一方で、過去の日本との貿易摩擦を引き合いに出し、両国の投資関係の変遷を説明した。楼はアメリカ政府が中国に対しても日本のような態度を取ることに警鐘を鳴らし、屈服することへの警告を発した。

政治的評価

彼の政治的立場は保守派に位置づけられ、西側諸国が理想とする民主化には否定的である。楼の発言や行動は、常に注目を浴びており、彼が築いたキャリアはいかに中国政治に影響を与え続けているかを物語っている。市場経済改革を促す一方で、保護的な側面を持つ政策にも懸念を示すなど、彼のバランスの取れた姿勢は多くの支持を集めている。

楼継偉は、今後も中国の政治シーンで重要な役割を果たすと期待されている。

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