南海艦隊

南海艦隊の概要

南海艦隊は、中国人民解放軍海軍の三大艦隊の一つであり、南部戦区海軍とも呼ばれています。1949年に設立されたこの艦隊の司令部は、当初広州にありましたが、後に湛江に移動しました。現在の旗艦は駆逐艦「深圳」（167）で、西沙諸島や南沙諸島を含む台湾海峡の防衛を主な任務としています。

設立と歴史

艦隊設立時の船舶は、主に国民党軍からの亡命艦や、中国人民解放軍によって押収された旧国民党軍の艦船で構成されていました。当初は広州市および珠江地域の防御、並びに国民党が占有していた島々の奪還を目指していました。しかし、造船が北方に集中していたため、艦隊の発展は遅れました。

1970年代に入り、中国と周辺国との間における西沙諸島や南シナ海の暗礁を巡る紛争が激化し、その結果南海艦隊は戦力を大幅に強化されました。1974年には、南ベトナムから西沙諸島を奪取し、軍艦の功績により名を馳せました。さらに、1988年にはベトナム艦隊との衝突が発生し、その一隻を沈める戦果を上げました。

現在の駐留と任務

現在、南海艦隊のほとんどの艦船は湛江海軍基地に配備されていますが、一方で潜水艦は全て海南島の楡林海軍基地に配置されています。また、広州、海口、三亜などにも港湾を持ち、地域の防衛に寄与しています。最近の任務には、2008年から2009年にかけてソマリア沖における海賊対策として、商船護衛用に艦船を派遣した事例が含まれます。

司令部と指導者

現在の南海艦隊司令官は沈金龍であり、政治委員は劉明利です。歴代の司令官や政治委員には、方強や趙啓民、呉瑞林などが名を連ねていて、その選任は中国人民解放軍内部での重要な役割を果たしています。

艦隊の組織と艦船

南海艦隊の組織は、広東省湛江に本部を置いており、いくつかの補助基地も存在します。例えば、海南島には南海艦隊航空兵が配置されています。また、戦力の増強として、002型航空母艦「山東」や最新型の052型駆逐艦、各種のフリゲート、潜水艦など、多岐にわたる艦船が所属しています。これにより、南海艦隊は侵害や対立に迅速に応える能力を高めています。

このように、南海艦隊は中国の海軍力の中でも重要な師団として、外的脅威に対する備えと地域の安定に寄与する役割を担っています。

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