榊真一

榊 真一（さかき しんいち）

榊 真一氏は、1964年（昭和39年）12月19日に鹿児島県で生まれた日本の元建設・国土交通官僚です。長年にわたり、日本の社会基盤整備や政策立案の中枢に深く関わりました。

学歴と初期キャリア

鹿児島県立鶴丸高等学校を卒業後、東京大学法学部で学び、1988年3月に同学部を卒業しました。同年4月、国家公務員採用Ⅰ種試験（法律）に合格し、当時の建設省に入省。キャリアをスタートさせました。

入省後は、建設省関東地方建設局総務部人事第一課長を務めるなど、初期から管理部門での経験を積みました。また、地方自治体への派遣も経験しており、1997年からは鳥取県企画部公園都市政策課長、翌年からは企画課長として、地方行政の現場感覚を養いました。

国土交通省での歩み

2001年に国土交通省が発足すると、大臣官房人事課や都市・地域整備局企画課、都市計画課で要職を歴任。省内の重要ポストで政策の企画・調整に携わりました。特に、国土交通副大臣秘書官事務取扱として大臣官房秘書課専門官を務めた時期もあり、政治との連携にも深く関与しました。その後は、道路局有料道路課や路政課で道路行政の専門知識を深めました。

2005年からは都市・地域整備局総務課企画官、大臣官房会計課企画官、同課長として、省の予算や会計といった根幹業務を担当しました。

地方と中央での経験

地方での豊富な経験は榊氏のキャリアの重要な要素です。2009年からは茨城県企画部次長、部長を歴任。そして2012年7月からは茨城県副知事として、県政の多岐にわたる課題に取り組みました。この地方自治体のトップに近い立場での経験は、その後の国政における政策立案に活かされました。

中央に戻ってからは、2014年7月に国土交通省都市局都市計画課長に就任し、日本の都市が抱える課題への対応を主導しました。その後も、大臣官房参事官（会計担当）、大臣官房会計課長、大臣官房審議官（都市局担当）といった要職を経て、2018年7月には道路局次長として再び道路行政の要となるポストに就きました。

主要ポストと政策への貢献

2019年7月からは国土交通省大臣官房総括審議官として、省内の重要政策全体の調整役を担いました。

2020年7月21日、国土交通省都市局長に就任。この時期、日本各地で水害が頻発していたことを背景に、就任にあたっては災害対策の重要性を強く訴えました。特に、危険なエリアでの新たな建築を抑制し、既存の住宅なども安全な場所への移転を促進することの必要性を強調。また、同年6月に成立した都市再生特別措置法改正法の着実な施行に向けた準備に注力する姿勢を示しました。さらに、現代社会の課題に対応するスマートシティ関連施策を推進するため、スマートシティ構築に取り組む自治体向けのガイドラインを新たに策定する方針を打ち出しました。

2021年7月1日には、内閣府へ異動し、政策統括官（防災担当）に就任。内閣府の立場で、省庁横断的な国の防災政策の企画・推進という、国民生活に直結する重要な役割を担いました。

2023年7月4日には、国土交通省における事務次官に次ぐナンバー2である国土交通審議官に昇任。省全体の行政運営に関わる最高幹部の一人となりました。2024年4月1日からは、国土交通省総合政策局長を併任し、幅広い分野にわたる政策の企画・立案を主導しました。

退官

約36年間に及ぶ公務員としてのキャリアを終え、2024年7月1日をもって国土交通省を辞職しました。建設省、国土交通省、そして地方自治体において、都市政策、防災、道路、会計、人事など、極めて多様で重要な分野で要職を歴任し、日本の社会資本整備と国土政策の推進に多大な貢献を果たした官僚人生でした。

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