榎並正樹

榎並正樹：日本の地質学をリードする研究者

榎並正樹氏は、日本の地質学界において、特に高圧・超高圧変成岩に関する研究で高い評価を得ている著名な学者です。1954年岐阜県生まれ。名古屋大学名誉教授の肩書きを持つ彼は、岩石学、地質学、地球科学を専門とし、長年にわたる研究活動で多くの成果を挙げてきました。

学歴とキャリア

岐阜県立岐阜北高等学校卒業後、金沢大学理学部地学科に進学。同大学院理学研究科修士課程を修了し、名古屋大学大学院理学研究科地球科学専攻博士後期課程に進みます。1983年には名古屋大学より理学博士号を取得。その後、名古屋大学理学部助手、助教授を経て、2000年には教授に昇進しました。

彼のキャリアは名古屋大学を中心に展開されましたが、多様な研究機関との関わりも持ち合わせています。日本学術振興会奨励研究員、日本学術会議鉱物学研究連絡委員会委員などを歴任。さらに、日本学術振興会学術システム研究センター専門研究員として、研究活動の幅を広げています。2001年から2012年にかけては名古屋大学大学院環境学研究科教授、2012年から2015年には名古屋大学年代測定総合研究センター教授（2014年から2015年はセンター長）を務め、2015年から2019年までは名古屋大学宇宙地球環境研究所教授として活躍しました。2019年には名古屋大学名誉教授となりました。

研究と業績

榎並氏の研究は、主に高圧・超高圧変成岩に焦点を当てています。これらの岩石は、地球内部の高圧力環境で形成されるため、地球内部のダイナミクスや進化を理解する上で重要な手がかりとなります。彼は、長年の研究活動を通じて、数多くの論文や書籍を発表し、国際的な学会でも積極的に研究成果を発表してきました。これらの研究は、地球科学分野の発展に大きく貢献しています。特に、高圧変成作用のメカニズム解明や、変成岩の形成過程に関する知見は、高く評価されています。

受賞歴

榎並氏の研究業績は高く評価されており、数々の賞を受賞しています。1984年には日本地質学会研究奨励賞を受賞。その後も、Mineralogical Society of America Fellow、Raman Touch Award（Dr. T. Mizukamiと共同受賞）、日本地質学会学会賞、日本地質学会Island Arc賞（Prof. K. Hattori他と共同受賞）、日本鉱物科学会論文賞（Dr. T. Taguchiと共同受賞）など、数々の栄誉に輝いています。2018年から2020年には日本鉱物科学会会長を務め、日本の地質学界を牽引する存在として活躍しました。

まとめ

榎並正樹氏は、日本の地質学、特に高圧・超高圧変成岩研究において、世界的に認められた第一人者です。その幅広い研究活動、教育活動、そして数々の受賞歴は、彼の卓越した能力と情熱を証明しています。今後も、地球科学の発展に大きく貢献していくことが期待されています。彼の研究は、地球の成り立ちや進化を解き明かす上で重要な役割を果たし、未来の研究者たちにとっても大きな影響を与え続けるでしょう。

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