樋口雄彦

樋口雄彦（ひぐち たけひこ）

1961年生まれの日本の歴史学者。日本近代史、特に幕末維新史を専門とし、人間文化研究機構国立歴史民俗博物館および総合研究大学院大学で教授を務める。

経歴

1984年: 静岡大学人文学部人文学科卒業
1984年: 沼津市明治史料館学芸員としてキャリアをスタート
1997年: 沼津市明治史料館主任学芸員に昇進
2001年: 国立歴史民俗博物館助教授に就任し、研究の場を移す
2003年: 総合研究大学院大学助教授を兼任
2007年: 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館准教授（総合研究大学院大学准教授兼任）。この年、「沼津兵学校の研究」で大阪大学文学博士号を取得。
2011年: 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館教授（総合研究大学院大学教授兼任）に就任。

研究テーマ

樋口氏の研究は、幕末維新期の政治、社会、文化の変革期に焦点を当てています。特に、旧幕臣たちの動向や、彼らが明治維新という大きな変革にどのように関わったのかについて深く掘り下げています。また、沼津兵学校や静岡藩など、特定の地域や組織に焦点を当てた研究も行っており、地域史と国家史の両面からの考察を試みています。

主な著書

単著
『旧幕臣の明治維新―沼津兵学校とその群像』（吉川弘文館、2005年）: 沼津兵学校を舞台に、旧幕臣たちの明治維新における役割を描く。
『沼津兵学校の研究』（吉川弘文館、2007年）: 博士論文を元に、沼津兵学校の詳細な研究をまとめた一冊。
『静岡学問所』（静岡新聞社、2010年）: 静岡藩における教育機関、静岡学問所について詳述。
『第十六代徳川家達―その後の徳川家と近代日本』（祥伝社新書、2012年）: 徳川宗家当主、徳川家達の生涯を通し、近代日本の徳川家の役割を描く。
『箱館戦争と榎本武揚』＜敗者の日本史17＞（吉川弘文館、2012年）: 箱館戦争における榎本武揚の足跡を追う。
『勝海舟と江戸東京（人をあるく）』吉川弘文館、2013 : 勝海舟の生涯と、彼が生きた江戸・東京の様子を描く。
『沼津藩 近世初期は大久保家、中絶後、後期は水野家が治めた。東海道の宿場とともに発展した五万石の城下町。』現代書館 シリーズ藩物語 2016: 沼津藩の歴史を詳しく解説した書籍。
『幕臣たちは明治維新をどう生きたのか』洋泉社 2016: 幕臣たちが明治維新をどのように生き抜いたかを考察。
『幕末の農兵』現代書館, 2017: 幕末期の農兵に焦点を当てた研究。
『見る読む静岡藩ヒストリー』静岡新聞社, 2017 : 静岡藩の歴史を多角的に解説した書籍。
『幕末維新期の洋学と幕臣』 (近代史研究叢書 岩田書院, 2019: 幕末維新期における洋学と幕臣の関係を分析。

編著
『幕臣福田重固・高島茂徳兄弟』（福田達、2006年）: 幕臣兄弟の生涯を紹介。
『海軍諜報員になった旧幕臣 海軍少将安原金次自伝』（芙蓉書房出版、2011年）: 旧幕臣でありながら海軍で活躍した安原金次の自伝を編纂。
* 『資料が語る災害の記録と記憶』編 (国立歴史民俗博物館研究叢書 朝倉書店, 2019): 歴史資料から災害の記録を読み解く。

樋口氏の研究は、幕末維新期の複雑な歴史を多角的に捉え、今日の私たちに多くの示唆を与えてくれます。著書を通して、当時の社会情勢や人々の生き様を深く理解することができます。

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