標津サーモン科学館

標津サーモン科学館のご紹介

標津サーモン科学館は、北海道標津町にある、サケやマスに特化した教育施設です。1991年に開館し、以降多くの来館者に愛され続けています。館内では、さまざまなサケ科の魚の生態を楽しむことができる展示が行われています。特に目を引くのは、ベニザケを生きた状態で飼育し、その姿を観察できる点です。

鮭の遡上を間近で観察

館内には、鮭たちが実際に遡上する様子を観察できるガラス張りの水路が設置されています。この魚道は、秋になるとシロザケやカラフトマスといった鮭が川を遡上する際の光景を直接見ることが可能です。魚道の水門が開かれると、滝を登るように勢いよく泳ぐ鮭たちを目の当たりにすることができます。この体験は、訪れる人々にとって非常に貴重なものとなっています。

産卵行動と成長過程の展示

さらに、科学館では薬飼育された水槽内でシロザケとマスの産卵行動を観察することもできます。産卵が終わった後、卵のふ化から稚魚の成長過程までを公開し、鮭たちのライフサイクルを身近に感じることができます。このような展示は、教育的な目的だけでなく、研究活動にも活用されています。例えば、2008年には、当館での観察を基に北海道大学の大学院生が鮭の産卵時の心停止についてアメリカの学会で発表しました。

人工授精と飼育の先進的な取り組み

標津サーモン科学館では、1996年に世界初となる雌シロザケからの人工授精に成功し、淡水環境下での飼育に成功しました。また、2005年には「幻の魚」とされるイトウの人工授精体験を一般向けに実施するなど、多様な研究活動が進められています。特に、絶滅危惧種のダウリアチョウザメの飼育や展示も行い、2007年にはその精子採取に成功し翌年には展示を開始するなど、様々な取り組みを行っています。

研究・研修拠点センター

2010年には、研究者や学生が長期滞在できる拠点が開設され、さらなる研究活動が支援されています。また、館内ではクリオネやイクオネといった生物も展示されており、来館者に新しい発見の場を提供しています。

触れ合い体験やユニークな展示

来館者は、若いチョウザメと触れ合うコーナーも楽しむことができ、指を甘噛みしてもらうことができます。100円のガチャを使って得られる浮き餌を鮭がジャンプしながら食べる様子も、野生の鮭を体感できる斬新な展示です。

アクセスと開館情報

標津サーモン科学館までは北海道道863号川北茶志骨線を利用し、中標津空港から車で約20分の距離にあります。年末年始の2か月は原則休館ですが、特別開館が行われる時期もあるので、事前に確認して訪問することをお勧めします。標津町で鮭の生態や文化を学びながら、楽しい体験ができる科学館です。

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