標津遺跡群

標津遺跡群について

標津遺跡群（しべついせきぐん）は、北海道標津郡標津町字標津に位置する歴史的な遺跡で、擦文文化およびオホーツク文化の集落跡を知る上で重要な場所です。この遺跡群は、伊茶仁カリカリウス遺跡、古道遺跡、三本木遺跡の3つを中心に形成されており、さらに伊茶仁川沿いの遺跡から構成されています。特に、数千年前の竪穴建物跡が地表面に窪みとして残されていることが観察され、その数は日本全体でも最大規模を誇ります。

伊茶仁カリカリウス遺跡

伊茶仁カリカリウス遺跡は、標高20メートルの台地に位置し、ポー川と伊茶仁川の間に形成されています。この遺跡では、1200以上の竪穴建物跡が確認されており、擦文文化における竪穴建物の構造が詳しく研究されています。1979年には史跡に指定され、標津湿原とともに542haの広域が保護されています。また、標津町歴史民俗資料館をはじめ、縄文時代からの竪穴建物跡群が集まるポー川史跡自然公園として整備が進められています。

古道遺跡

古道遺跡は、標津川流域の左岸段丘の標高8メートルの位置にあり、擦文時代を主とする219の竪穴建物跡と共に、コの字型の面崖式チャシが存在します。1976年に史跡に指定され、現在の標津川河口から約4km上流に位置しています。ここでは、標高12メートルの台地上に、縄文～続縄文時代に属するとされる円形と楕円形の竪穴建物跡52軒、さらに擦文時代の方形のくぼみ160軒が確認されています。

三本木遺跡

三本木遺跡は、標津川の左岸に広がる海岸砂丘上にあり、オホーツク文化期に建設された五角形または六角形の竪穴建物跡21軒が確認されています。また、下層には続縄文文化の遺構も見つかっており、1989年には史跡に指定されています。この遺跡は、標津川左岸の蛇行河川跡に隣接した海岸砂丘上に位置し、地表には21軒以上の竪穴建物跡の窪みが見られ、地域の歴史的価値を高めています。

まとめ

標津遺跡群は、歴史的な文化や生活様式を知るための貴重な資源であり、それぞれの遺跡が異なる時代や文化に関連しています。このような遺産は、地域の歴史を理解する上で欠かせない存在です。また、自然公園として整備されていることから、訪れる人々に歴史を感じさせるとともに、地域の魅力も引き出しています。

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