横堤八幡宮

横堤八幡宮

大阪市鶴見区横堤に位置する横堤八幡宮は、地域の人々から「横堤さん」という親愛なる呼称で広く知られる古社です。公式には八幡宮という名称を持ち、この地の信仰の中心として厚い崇敬を集めています。

由緒と歴史

社伝によれば、横堤八幡宮の創建は非常に古く、今からおよそ660年以上前の延文5年（1360年）9月21日に遡ると伝えられています。この神社の始まりは、京都にある石清水八幡宮から神様の御分霊（ごぶんれい）を迎え祀ったことにあります。創建当初は「産須那神社（うすなじんじゃ）」という名で呼ばれていました。

長い歴史の中で、神社の名称は変更されました。昭和30年（1955年）に現在の「八幡宮」という名前に改称されています。この改称とほぼ同時期、あるいはそれ以降、地域に根差した呼び名として「横堤さん」という愛称が定着し、現在に至るまで親しまれています。

古くからこの地の守り神として、人々の暮らしや平安を見守り続けてきた歴史は、社殿や境内の雰囲気からも感じ取ることができます。創建以来の長い年月を経て、地域社会における精神的な支柱としての役割を果たしています。

祀られる神々

横堤八幡宮のご祭神は以下の通りです。

応神天皇（おうじんてんのう）：第15代天皇であり、武運長久や国家鎮護の神として広く信仰される八幡信仰の中心となる神様です。
神功皇后（じんぐうこうごう）：応神天皇の母君であり、安産や子育て、海外との交流に関する神徳を持つとされます。
比売大神（ひめおおかみ）：八幡信仰において応神天皇、神功皇后と共に祀られる女神様です。一般的には宗像三女神（多紀理比売命、市寸島比売命、多岐津比売命）を指すとされます。
多紀理比売命（たぎりびめのみこと）
市寸島比売命（いちきしまひめのみこと）
多岐津比売命（たぎつひめのみこと）：この三柱の女神は宗像三女神として知られ、航海安全、交通安全、財運などの神徳を持つとされます。

これらの神々が一つの社に祀られていることは、様々なご利益を求める参拝者にとって大きな意味を持っています。

境内を彩る社

境内の摂社・末社として、以下の神々も祀られています。

豊栄稲荷大神社（とよさかいなりだいじんじゃ）：五穀豊穣や商売繁盛の神として信仰されています。
大地主黒竜大神社（おおとこぬしくろりゅうだいじんじゃ）：土地の守護神や水を司る神として祀られていると考えられます。

これらの境内社は、本殿の祭神とともに、地域の様々な願い事に応える存在として大切にされています。

アクセス情報

横堤八幡宮へのアクセスは、公共交通機関と車のどちらでも比較的容易です。

電車をご利用の場合：Osaka Metro長堀鶴見緑地線の「横堤駅」で下車し、そこから徒歩でおよそ10分程度です。
車をご利用の場合：近畿自動車道の「東大阪北インターチェンジ」から降りて、車でおよそ5分ほどで到着します。

駐車場については事前に確認されることをお勧めします。

横堤八幡宮は、大阪市内にありながら静かな佇まいを見せる古社であり、地域の歴史や信仰を感じることのできる貴重な場所です。初詣はもちろんのこと、日々の感謝や願いを込めて多くの人々が訪れます。「横堤さん」として地域に親しまれ続けるこの神社は、これからも人々の心の拠り所であり続けるでしょう。

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