横尾忠則現代美術館

横尾忠則現代美術館：神戸の地に咲く現代美術の花

兵庫県神戸市灘区原田通に位置する横尾忠則現代美術館は、現代美術界の巨匠、横尾忠則氏の作品を専門的に扱う美術館です。氏の故郷である兵庫県西脇市ではなく、神戸市に開館した背景には、神戸新聞社勤務時代に過ごした神戸市への深い繋がりがあります。

多様なコレクションと展示空間

美術館は、横尾忠則氏から兵庫県に寄贈・寄託された膨大なコレクションを基盤としています。開館時には、絵画約500点、版画約200点、ポスター約900点×2セット、ブックデザイン約700点もの作品が収蔵され、その数は年々増加を続けています。これらの作品は、2階と3階の展示室で、テーマごとに構成された企画展や常設展を通して公開されています。

展示室以外にも、4階にはアーカイブルームが設置されており、貴重な資料の整理・保存、研究、そして一般公開も行われています。横尾忠則氏の創作活動の軌跡を多角的に理解するための貴重な空間となっています。1階には、オープンスタジオ、ミュージアムショップ、ミュージアムカフェが併設され、来館者は作品鑑賞だけでなく、多様な楽しみ方を堪能できます。

歴史と変遷

美術館の建物は、1982年に竣工した兵庫県立美術館王子分館西館（村野藤吾設計）を改修したものです。その後、HAT神戸への兵庫県立美術館移転に伴い、一旦閉館、その後「原田の森ギャラリー西館」として再開館を経て、2012年11月3日に横尾忠則現代美術館として新たなスタートを切りました。老朽化による改修工事なども経て、現在に至ります。2017年には台風被害による雨漏り修理なども行われ、建物の維持管理にも力を入れています。

アクセスと周辺環境

美術館へのアクセスは良好です。阪急神戸本線「王子公園駅」から徒歩5分、JR神戸線「灘駅」から徒歩10分と、公共交通機関でのアクセスが容易です。周辺には、王子公園、神戸市立王子動物園、神戸文学館などの文化施設や、緑豊かな自然も広がり、美術館を訪れた際には、周辺観光も合わせて楽しむことができます。

横尾忠則氏の言葉

開館にあたり、横尾忠則氏は51もの展覧会構想を練ったと言われています。当時76歳だった氏は、「年4回でも、終わるころには僕はもうこの世にいない。向こうから鑑賞するかもしれない」と語ったと伝えられています。この言葉には、自身の作品を通じて未来へのメッセージを託す、氏の強い意志が感じられます。

まとめ

横尾忠則現代美術館は、横尾忠則氏の多岐にわたる作品群と、氏の創作活動に迫る貴重な資料を展示する、必見の美術館です。現代美術への理解を深めたい方、横尾忠則氏の作品に興味のある方、神戸観光の際に立ち寄りたい方など、幅広い層におすすめです。 美術館を訪れ、横尾忠則氏の芸術世界に触れてみてください。

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