横尾達泰

横尾 達泰（よこお たつひろ）

1985年2月28日、愛知県に生まれた横尾達泰は、日本のプロバスケットボール界でシューティングガードとして活躍した選手です。「竹内世代」と呼ばれる才能豊かな選手たちの一人として知られています。

彼のバスケットボールキャリアは、京都の名門・洛南高校で輝かしいスタートを切りました。3年生だった2002年には、夏の全国高等学校総合体育大会（インターハイ）でチームをベスト4進出に導き、翌年1月に開催された第33回ウィンターカップでは、同期の竹内公輔・譲次兄弟らとともに歴史的な初優勝に大きく貢献しました。

高校卒業後、2003年4月には明治大学に進学。大学での経験を経て、2007年には実業団の日立製作所に入社し、バスケットボール部でプレーを続けました。

2010年、横尾氏は新たな挑戦として日立を退社し、当時日本で唯一のプロリーグであったbjリーグのトライアウトを受験しました。その才能は高く評価され、同年6月に行われたbjリーグドラフト会議では、新規参入チームであった島根スサノオマジックから全体1位という栄誉ある指名を受け、プロのキャリアをスタートさせました。

島根加入後は、チームの顔として1年目から主力として定着しました。2010-11シーズンにはレギュラーシーズン全50試合のうち37試合でスターターを務め、チームのプレイオフ初進出に貢献。その後のシーズンでも安定した活躍を見せ、2015-16シーズンには自己最高の1試合平均9.4得点を記録するとともに、高いシュート精度を武器に3ポイント成功率45.8パーセントでリーグ1位のタイトルを獲得しました。

日本のバスケットボールリーグがB.LEAGUEへと統合された2016-17シーズンも引き続き島根でプレー。B2リーグ西地区において中心選手の一人として、チームの地区優勝とB1リーグ昇格という目標達成に大きく貢献しました。

島根での長期にわたる活躍の後、横尾氏はキャリアの新たな段階へと進みます。2017-18シーズンはB2の熊本ヴォルターズへ移籍し、41試合に出場。続く2018-19シーズンは同じくB2の茨城ロボッツに所属し26試合に出場しました。

2019-20シーズンにはB3リーグの埼玉ブロンコスと契約を結び、25試合に出場しましたが、シーズン途中の2020年2月6日にB2の香川ファイブアローズへ移籍。香川ではそのシーズン中に8試合に出場しました。翌2020-21シーズンも香川との契約を継続し、同シーズンをもって現役バスケットボール選手としてのキャリアに終止符を打ちました。

横尾氏のバスケットボールの才能は、恵まれた家庭環境にも根差しています。彼の両親もまた、かつては優秀なバスケットボール選手でした。特に母親の弘子氏（旧姓：中川）は、元第一勧業銀行の選手として活躍し、全日本代表として1979年の世界選手権にも出場した経験を持つなど、輝かしい実績を残しています。父親も元豊田通商のバスケットボール選手でした。また、横尾氏には松江市出身の妻がいます。

洛南高校、明治大学、実業団の日立を経て、プロリーグでは島根スサノオマジック、熊本ヴォルターズ、茨城ロボッツ、埼玉ブロンコス、香川ファイブアローズと渡り歩いた横尾達泰。特に島根での7シーズンにわたる貢献は、bjリーグ時代からBリーグ創設期にかけてのチームの歴史において重要な足跡を残しました。バスケットボール一家に生まれ、そのキャリアを通じて数々のチームでファンを魅了したシューティングガードは、2021年にコートを去りました。

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