横山勝巳

横山 勝巳

1969年に東京都に生まれた横山勝巳（よこやまかつみ）は、現代音楽の分野で活動する日本の作曲家である。

経歴

幼少期より音楽に親しみ、ピアノを始めた。中学生になると作曲とホルンにも取り組み始める。当初は独学で作曲を学んでいたが、やがて山田武彦、そしてハヤ・チェルノヴィンといった指導者に師事し、専門的な研鑽を積んだ。早稲田大学を卒業している。

彼の作品は日本国内だけでなく、海外の主要なコンサートやフェスティバルでも頻繁に演奏され、その存在感を国際的に示している。早くからその才能は認められており、1994年には秋吉台国際20世紀音楽セミナー&フェスティバルに参加し、そこで秋吉台国際作曲賞を受賞して注目を集めた。さらに2001年には武生国際作曲ワークショップに招待作曲家として迎えられている。

特にイギリスの著名なトロンボーン奏者であるバリー・ウェッブとの共同作業は、彼のキャリアにおいて重要な一章を占める。2002年には、バリー・ウェッブと日本の作曲家7人（藤井喬梓、小内将人、中村寛、後藤國彦、前田克治、平野達也、横山勝巳）による共同企画「The Japan Project」の成果として、彼の作品を含むCDがイギリスのレーベルMetierよりリリースされた。この協働は継続され、2015年にはバリー・ウェッブのために書かれたトロンボーン独奏曲『Requiem...ad Vitam Aeternam』が作曲され、Trombone ClassicsよりCDとして発表された。この作品は2016年に重要な初演を迎える。東日本大震災から5年を迎える3月11日に、ルーテル東京教会で開催された追悼コンサートでバリー・ウェッブによって世界初演されたのを皮切りに、高知で開催されたバリー・ウェッブ Music Project 2016にて再演された。さらに同年5月25日にはブカレスト新音楽の国際音楽週間にてヨーロッパ初演、そして11月3日にはルーマニアのティミソアラで開かれた新しい音楽の国際音楽祭でも再び演奏されるなど、国際的に紹介された。

また、彼の創作活動は公的機関からも高く評価されており、2003年には文化庁舞台芸術創作奨励賞特別賞を受賞している。

主要作品

横山勝巳の作品は多岐にわたり、独奏曲から室内楽、オーケストラ作品まで手がけている。特にトロンボーンのための作品が多く見られるのは、バリー・ウェッブとの長年にわたる協働の成果と言えるだろう。抽象的なタイトルを持つものから、フランシス・ベーコンの絵画や日本の自然（秩父の山々）など具体的な着想源を持つものまであり、多様な表現を追求している。

主な作品には以下のようなものがある。

Music for "Head IV (F.Bacon)" (tp. tb. and pf)
STRING QUARTET
＜In den Chichibu-Gebirgen/ Unkräuter glänzen mystererious Licht＞ for tp. and org.
Traces II for tb.solo
Traces III for fl.solo
Broken branches for tb.solo
《winter tree / pain》 for v.c. solo
《 wave / deep inside ...》 for large orchestra
"Antigone" for pf
Requiem...ad Vitam Aeternam for tb. solo
* Untitled #3 for viola, horn, and trombone

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