横山又次郎

横山又次郎 - 日本の古生物学者

横山又次郎（よこやま またじろう、万延元年4月25日（1860年6月14日） - 昭和17年（1942年）1月20日）は、日本における古生物学の先駆者として知られます。彼は英語の「dinosaur」を日本語の「恐竜」と訳し、日本国内で恐竜を最初に紹介した人物の一人です。

経歴

横山は長崎県に生まれ、オランダの通訳を務める横山家の分家に属していました。彼は幕末の長崎で英語学校に通い、1882年に東京大学理学部地質学科を卒業しました。卒業後、農商務省に勤めていたものの、1886年からドイツに留学し、古生物学を専門的に学びました。

帰国後の1889年には、東京帝国大学の理科大学教授に任命され、1891年に理学博士の学位を取得しています。学術研究の中では特に新生代の貝類に関する研究が目立ち、彼の名を冠した学名も多く存在します。1908年には再び欧米に派遣され、さらなる地質学の研究に励んでいました。

古写真の寄贈と発見

2022年、長崎市は又次郎の孫から古い写真の寄贈を受けました。この古写真は幕末から明治時代に撮影されたもので、もろもろ調査が行われた結果、又次郎の私生活や若き日の活動に関する貴重な資料であることが分かりました。寄贈された30枚の写真のうち18枚は、当時有名だった上野彦馬の撮影所で撮影されたものであり、又次郎と上野の関係も新たに明らかになりました。

これらの古写真のレプリカは、2024年10月19日から長崎市恐竜博物館（ベネックス恐竜博物館）で一般公開される予定です。

著書

横山又次郎はその学術的な貢献だけでなく、多くの著書を残しています。主な著作には以下のようなものがあります：

• - 『地球之過去及未来』（冨山房、1897年）
• - 『地球と彗星との衝突』（金港堂、1898年）
• - 『前世界』（金港堂、1898年）
• - 『生物の過去と未来』（金港堂、1902年）
• - 『古生物学』（冨山房、1907年）
• - 『観天窺地』（鳳鳴社書店、1914年）
• - 『世界に於ける自然の奇観』（広文堂書店、1915年）
• - 『世界奇聞 知識の庫』（早稲田大学出版部、1918年）
• - 『珍談百一篇』（早稲田大学出版部、1921年）
• - 『自然の面影』（早稲田大学出版部、1926年）

彼の作品は、古生物学のみならず、自然科学全般への理解を深めるための貴重なリソースとなっています。横山又次郎の研究は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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