横山製薬

横山製薬株式会社

横山製薬株式会社は、1900年（明治33年）に創業した、兵庫県明石市に本社を置く製薬会社です。創業者の横山長次郎が、煎じ薬や丸薬の製造販売を開始したのが始まりです。同社のコーポレートスローガンは「あなたの悩みイチコロリ」で、消費者の悩みに寄り添う製品開発を続けています。

創業と「イボコロリ」の誕生

横山製薬の歴史は、創業者の横山長次郎が1900年に兵庫県明石市で医薬品の製造を始めたことから始まりました。1919年（大正8年）には、同社の主力商品となる「イボコロリ」を発売しました。この製品は、当時としては斬新なネーミングと、イボに悩む人々への直接的な効果が受け入れられ、大ヒット商品となりました。

「イボコロリ」の開発にあたっては、横山製薬の社員が兵庫県から岡山県までの地域を訪問し、実際にイボに悩む人々に試用してもらい、その効果を検証するという地道な活動を繰り返しました。このような丁寧な開発プロセスが、製品の信頼性を高め、長年にわたり愛される商品へと成長させました。

戦後の成長と広告戦略

戦後、横山製薬は新聞や雑誌、テレビなどのメディアを通じて積極的に広告宣伝を展開しました。特に、「ウオノメ、タコ、イボ、イボコロリ～」というCMソングは、一度聞いたら忘れられないほど耳に残るフレーズで、多くの人々に親しまれました。このCMソングとアニメーションは、現在でも広く認知されています。これにより、「イボの治療といえばイボコロリ」というイメージが確立され、全国的に高い認知度を誇るようになりました。

顧客の声を生かした製品開発

1989年（平成元年）以降、横山製薬は創業以来の家訓である「薬に必要なのは、効果とともに“分かりやすさと使いやすさ”。特化した商品ゆえに外からの声を大事にする」という理念に基づき、全国の販売店や消費者から集まる声を製品開発に積極的に活かしています。これにより、常に消費者のニーズに寄り添った製品を提供し続けています。

歴代社長

横山製薬は、創業家による経営が長く続いています。

- 横山長次郎（1947年〜1969年）
- 横山茂（1969年〜1986年）
- 横山通明（1986年〜1989年）
- 横山慶子（1989年〜1996年）
- 横山晴人（1996年〜2001年）
- 井上雅文（2001年〜現在）

代表的な商品

横山製薬は、イボや魚の目、タコなどの皮膚疾患に関する製品を中心に、幅広い商品展開を行っています。

イボコロリ

- 1919年（大正8年）発売の液体タイプの角質剥離剤です。患部に塗布すると白い膜を作り、硬くなった皮膚を柔らかくしてイボを取り除きます。

イボコロリ絆創膏

- 1989年（平成元年）に発売された絆創膏タイプのイボ治療薬です。患部の大きさに合わせてS、M、L、フリーサイズの4種類があります。

イボコロリ内服錠

- 2012年（平成24年）に発売された内服タイプのイボ治療薬です。生薬のヨクイニンエキスを使用し、首や顔などの柔らかい皮膚にできたイボの治療に適しています。

ウオノメコロリ

- 1996年（平成8年）発売の魚の目やタコ用の液体治療薬です。サリチル酸に加え、乳酸を配合し、患部の角質を柔らかくして除去します。

ウオノメコロリ絆創膏

- 1995年（平成7年）発売の絆創膏タイプのウオノメ治療薬です。足裏用と足指用の2種類があります。

足専ラボシリーズ

- 2012年（平成24年）に発売されたフットケア用品ブランドです。薬品付絆創膏、クッションパッド、ゲルマニウム足裏樹液シートなど、足の悩みに特化した製品を提供しています。

ナチュラベーレTHEマイクロニードル

- 2019年（令和元年）に発売された化粧品ブランド「ナチュラベーレ」の目元ケア用パックです。マイクロニードル技術により、美容成分を角質層に直接届けます。

沿革

横山製薬は、創業以来、数々の製品を開発・販売し、成長を続けてきました。

- 1900年：明石市で医薬品製造販売業を開始。「天豹約」「狼獣剤」を発売。
- 1903年：「ピオチオール」を発売。
- 1919年：社名を横山製薬に変更。「イボコロリ」を発売。
- 1946年：「イボコロリ」の医薬品製造承認。「ピレポン」「ヨコピリン」も発売。
- 1947年：横山製薬株式会社設立。横山長次郎が初代社長に就任。
- 1965年：新工場を建設。
- 1969年：横山茂が2代目社長に就任。
- 1986年：横山通明が3代目社長に就任。
- 1987年：本社新社屋完成。
- 1989年：「イボコロリ絆創膏」発売。横山慶子が4代目社長に就任。
- 1991年：シンボルマーク決定。
- 1993年：「ヨクイニン錠」発売。
- 1994年：「馬油」発売。
- 1995年：「ウオノメコロリ絆創膏」発売。
- 1996年：「ウオノメコロリ」「スキンヘルプクリーム」発売。横山晴人が6代目社長に就任。
- 1998年：「イボコロリ絆創膏・F」発売。
- 2001年：井上雅文が7代目社長に就任。「ウオノメパッド」など発売。
- 2005年：「虫よけリング」など発売。
- 2012年：「足専ラボ」シリーズ、「イボコロリ内服錠」発売。
- 2019年：「ナチュラベーレ　THEマイクロニードル」発売。

広告展開

横山製薬は、テレビCM、ラジオCM、新聞広告など、幅広い媒体で広告を展開しています。

- テレビCM: サンテレビを中心に、過去には全国ネットの番組でもCMを放映していました。1980年代には漫才コンビの春やすこ・けいこをCMキャラクターに起用していました。
- ラジオCM: 民放ラジオ開局当初から、全国各地のラジオ局でCMを放送しています。MBSラジオでは現在もスポットCMが放送されています。
- 新聞広告: 神戸新聞を中心に、朝日新聞や読売新聞の全国版にも広告を掲載しています。

事業所

- 本社・工場: 兵庫県明石市相生町
- 東京オフィス: 東京都港区港南
- 西神戸物流センター: 兵庫県神戸市西区

外部リンク

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