横島 (広島県福山市)

横島（よこしま）

横島は、瀬戸内海の備後群島にある有人島で、福山市沼隈半島からわずか0.5kmの距離に位置しています。面積は4.06 km²で、気候は温暖な瀬戸内海式気候です。島には狭い平野が広がり、主に山地が占めています。集落は北東部に位置し、人口は約1,100人（2015年時点）に達し、教育機関として福山市立内海小学校がありますが、少子高齢化が進んでいます。

地理

横島は、東側には田島、北側には百島が隣接しており、田島とは睦橋、本州とは内海大橋で結ばれています。福山市のハザードマップによれば、この島は大規模な津波に見舞われると最大で2-3メートルの浸水被害を受ける可能性があるとのことです。また、異常降雨による土石流の危険も指摘されています。

生業は主に漁業であり、さらに建設業や常石造船関係の製造業に従事する人々もいます。教育機関は内海小学校となっているため、中学校は隣の田島での通学となります。

歴史

横島の歴史は古く、弥生時代以前の遺跡は存在しませんが、古墳時代の遺跡や遺物がいくつか見つかっています。これらは島の北東部に集中しており、近世江戸時代から漁業が盛んになり、船大工や網作りが発展しました。特に、田島と連携して西海捕鯨へも進出し、盛んに交易が行われました。

また、近代に入ってからは、横島村として行政区分が設けられ、半農半漁の生活が続きました。明治40年（1907年）頃からは、マニラ湾への漁業移民が始まり、戦後は港としての役割も果たしました。昭和中期には交通が整備され、田島と横島を結ぶ睦橋、さらに内海大橋が完成したことにより、島の発展に寄与しました。

文化・名所

横島には多くの文化財が存在します。中世の横山城跡や、県の重要文化財に指定されている木造阿弥陀如来立像などがその一例です。さらに、ドルフィンビーチは、戦争中の石油備蓄基地跡地に設けられた人気の海水浴場です。

交通

本州とのアクセスは非常に便利で、睦橋や内海大橋を通じて車での来島が可能です。また、公共交通ではトモテツバスを利用することで、福山駅や松永駅からのアクセスも容易となっています。これにより、観光客にとって訪れやすい場所となっています。

現代の動向

現代では、横島の人口流出が問題視されており、本州との連結がなされたにもかかわらず、地域活性化が進んでいない状況です。2010年からは移住希望者のための空き家活用や、漁師研修生の受け入れを行うなど、地域の活性化に向けての取り組みが進められています。横島は復興の道を模索しているものの、まだまだ多くの課題を抱えているようです。

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