横浜中華学院

横浜中華学院

神奈川県横浜市中区、活気あふれる横浜中華街の一角、有名な関帝廟に隣接して位置する横浜中華学院（よこはまちゅうかがくいん、繁体字中国語: 橫濱中華學院）は、中華民国系の私立学校です。日本の学校教育法における「各種学校」として位置づけられています。

歴史

横浜中華学院の源流は、1898年2月にさかのぼります。当時日本を訪れていた革命家、孫文（孫中山）によって横浜に設立された「大同学校」がその前身にあたります。この大同学校は、日本国内に設けられた最初の中華学校として知られており、主に横浜中華街に暮らす華僑の子弟に対し、彼らの言語である広東語での教育を提供することを目的としていました。

しかし、学校の歴史は順風満帆ではありませんでした。1923年の関東大震災では校舎が甚大な被害を受けます。その翌年、1924年には横浜市内に存在していた他の二つの中華学校と合併し、「中華公立学校」として再組織され、困難からの復興を図りました。

続く1937年に日中戦争が勃発すると、学校の運営は一層厳しくなります。日本の文部省による介入や、生徒たちの本国への帰国などが相次ぎ、学校は事実上の閉鎖状態に追い込まれてしまいます。

第二次世界大戦終結後、学校は再び歩み始めます。1946年9月に再建が実現し、この機に初めて中国語の標準語である国語による教育が導入されました。翌1947年には校名が「横浜中華学校」と改められます。

冷戦体制が深まる1950年代に入ると、学校の運営を巡って新たな対立が生じます。中華民国（台湾）を支持する関係者と、新たに建国された中華人民共和国を支持する関係者との間で意見の相違が深まりました。この内部対立の結果、中華人民共和国を支持する立場の人々が学校から分離独立し、新たに横浜山手中華学校を設立することになります。これにより、横浜中華学校は中華民国を支持する勢力が中心となり、中華民国教育部からの認定を受ける学校として位置づけられることになりました。

そして、1968年に校名が現在の「横浜中華学院」と改称され、今日に至っています。

学科と教育

横浜中華学院では、幼い子供から青年期までの幅広い年代に対応した学科を設けています。

幼稚部: 『華青班（年少）』、『華獅班（年中）』、『華龍班（年長）』の三つのクラスに分かれ、幼児期の発達に応じた教育を行っています。
小學部: 『愛班』と『仁班』の二つのクラスで構成され、義務教育段階の学びを提供します。
中學部: 日本の小学校・中学校にあたる9年間の教育を終えた生徒が進む段階です。
高中部: 日本の高等学校に相当する教育課程です。

教育の特色として、三ヶ国語（中国語、日本語、英語と考えられる）を用いた教育が行われている点が挙げられます。

所在地・アクセス・著名な出身者

学校は神奈川県横浜市中区山下町142番地に所在し、最寄り駅はJR根岸線の石川町駅、またはみなとみらい線の元町・中華街駅となります。

これまでに横浜中華学院で学んだ著名な人物もいます。例えば、旧芸名テンテンとして知られる女優のシャドー・リュウ氏や、元子役の張沢紫星氏が本校の出身者として挙げられます。

中華街という立地を活かし、地域の歴史や文化と深く関わりながら、多様な背景を持つ生徒たちに教育を提供し続けています。

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