横溝亮一

横溝亮一

横溝亮一（よこみぞ りょういち）は、1931年1月3日に東京で生まれ、2015年2月17日に亡くなった音楽評論家です。著名な推理小説家である横溝正史の長男として生を受けました。

生い立ちと教育

少年時代には、音楽評論家の属啓成から音楽理論の指導を受け、音楽への造詣を深めました。東京都立西高等学校の前身である東京府立第十中学校在学中に疎開を経験し、岡山県立矢掛高等学校を卒業。その後、早稲田大学第一文学部英文科に進学し、文学的な素養も培いました。

ジャーナリストから音楽評論家へ

大学卒業後、横溝亮一は東京新聞に入社し、23年間文化部で音楽担当記者として活躍しました。1977年に東京新聞を退社し、音楽評論家としての活動を本格的に開始しました。音楽評論家としては、100回を超える海外渡航を重ね、国際的な音楽文化交流に貢献しました。その功績が認められ、2005年にはフィンランド政府からフィンランド獅子勲章騎士第1級章を授与されています。

教育活動

音楽評論家としての活動に加え、後進の育成にも力を注ぎました。武蔵野音楽大学、東京音楽大学、昭和音楽大学、成城大学短期大学部など、数々の教育機関で教鞭を執り、多くの学生を指導しました。

晩年

2015年、敗血症により84歳でその生涯を閉じました。

著書

横溝亮一は、音楽に関する多くの著書を執筆しました。主な著書には以下のようなものがあります。

『楽屋でアンコール! 素顔の演奏家たち』（音楽之友社、1979年）
『ウィーンのおばあさんとプラハのおじいさん』（音楽之友社、1990年）
『燃え上がれハーモニー フィンランド、クフモ市の「音楽町起こし」苦闘の物語』（角川書店、1993年）
『ウィーン、わが夢の町 芸術都市散策エッセイ』（講談社、1997年）
『クラシックの愉しみ アナログ主義者が選んだ名指揮者・名歌手・名演奏家』（角川書店、2013年）
『クラシックに捧ぐ アナログ主義者が独断と偏見で選んだ後世に語り継ぎたい名演奏』（KADOKAWA、2014年）

翻訳

また、海外の音楽に関する書籍の翻訳も手掛けました。主な翻訳書には、以下のようなものがあります。

ハーバート・クッファーバーグ『メンデルスゾーン家の人々 三代のユダヤ人』（東京創元社、1985年）
エーテス・オルガ『大作曲家シリーズ ショパン』（東京音楽社、1987年）
アラン・ウォーカー『大作曲家シリーズ シューマン』（東京音楽社、1990年）
ウイリアム・アトウッド『ピアニスト・ショパン』（東京音楽社、1991年）

出演番組

* TDK オリジナル・コンサート（エフエム東京）

横溝亮一は、音楽評論家として、また教育者として、日本の音楽文化の発展に大きく貢献しました。彼の業績は、後世に語り継がれるでしょう。

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