横道忠右衛門

横道忠右衛門

横道忠右衛門（よこみち ちゅうえもん）は、江戸時代前期に長州藩の陪々臣として活躍した人物です。大野毛利家初代当主である毛利就頼に仕え、諱を豊行（とよゆき）と称しました。特に、慶安4年（1649年）から9年以上にわたる宇佐木大野河添い沖（現在の山口県熊毛郡平生町）の開作事業の設計・施工者としてその名を残しています。

横道氏の出自

横道氏は、元々は尼子氏の家臣であり、後に毛利氏に従いました。忠右衛門の祖父にあたる横道高光（源助）は、軍記物にしばしば登場する出雲尼子氏の家臣で、「横道兄弟」の次男として知られています。また、高光の長兄である横道秀綱（兵庫助）は、尼子十勇士の一人として名高い人物です。このように、横道家は武門の家柄であり、忠右衛門もまたその血筋を受け継いでいました。

生涯と業績

忠右衛門は、慶安4年（1649年）から9年以上にわたり、宇佐木大野河添い沖の開作事業に尽力しました。この事業は、現在の山口県熊毛郡平生町において、新たな農地を開発するためのもので、忠右衛門はその設計と施工を主導しました。彼の卓越した技術力とリーダーシップにより、この開作事業は見事に成功し、地域の発展に大きく貢献しました。しかし、この功績を妬む者も少なくありませんでした。

延宝4年（1676年）2月28日、忠右衛門は品川治左衛門らによって暗殺されました。享年48歳。その法名は深広院性誉法安居士です。忠右衛門の突然の死は、地域社会に大きな衝撃を与えました。彼の死後も、その功績は忘れられることなく、今日まで語り継がれています。

南蛮樋

平生町の常春寺境内には、忠右衛門の墓があります。また、当時最先端であったオランダの技術を取り入れて忠右衛門が設計した水門「南蛮樋」（なんばんひ）も、平生町の史跡名所として現存しています。南蛮樋は、忠右衛門の技術力の高さを物語る貴重な遺構であり、彼の業績を今に伝える重要な存在です。

まとめ

横道忠右衛門は、江戸時代前期に長州藩に仕え、開作事業に尽力した人物です。その卓越した技術力とリーダーシップにより、地域社会の発展に大きく貢献しましたが、不運にも暗殺という形でその生涯を終えました。彼の設計した南蛮樋は、今日でもその技術の高さを示す遺構として、多くの人々に敬意を払われています。

脚注

横道忠右衛門の墓は、平生町の常春寺境内にあります。
南蛮樋は、忠右衛門が設計したオランダ技術を取り入れた水門です。

外部リンク

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常春寺（横道忠右衛門の墓）

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