毛利就頼

毛利就頼（もうり なりより）

毛利就頼は、江戸時代前期に長州藩に仕えた武士です。 初めは吉川広家の次男として生まれましたが、後に吉見氏の養子となり、さらに毛利姓に戻るという複雑な経緯をたどりました。

生涯

1607年（慶長12年）、毛利氏家臣である吉川広家の次男として誕生しました。幼名は彦二郎と称しました。1604年（慶長9年）には、吉見家の当主であった吉見広長が毛利家に反抗して出奔するという事件が起こります。この事態を憂慮した先代当主の吉見広頼は、吉見家の存続を危惧しました。そこで、福原広俊の仲介により、1612年（慶長17年）12月に彦二郎は広頼の五女と結婚し、婿養子として吉見家を継ぐことになりました。この時、名を吉見政春と改め、広頼の隠居料であった1139石も相続しました。

その後、長州藩の初代藩主である毛利秀就から周防国熊毛郡を与えられました。さらに後に、毛利姓に復姓し、秀就から一字を拝領して毛利就頼と名乗るようになりました。

1637年（寛永14年）には、毛利元法と共に藩の加判役となり、国元留守居役として藩政に深く関わるようになります。1651年（慶安4年）には、藩の財政再建のため、実兄である吉川広正の援助を受けて、平生開作（干拓事業）を実施しました。この事業は、吉川家から派遣された横道忠右衛門が奉行として工事を遂行し、成功を収めました。

1676年（延宝4年）7月17日に、就頼は生涯を閉じました。その子孫は、長州藩の一門家老である大野毛利家として、幕末まで存続することになります。

人物

就頼は、吉見家と毛利家という二つの家を繋ぐ役割を担い、藩政においては財政再建に尽力するなど、その手腕を発揮しました。また、一門家老としての地位を確立し、その子孫が長州藩において重要な役割を担い続けたことは、就頼の功績を物語るものでしょう。

参考文献

* 『萩藩閥閲録』巻6「毛利伊勢」

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