樫本大進(かしもと だいしん)は、
1979年生まれの日本人
ヴァイオリニストです。現在、世界最高峰のオーケストラの一つである
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1
コンサートマスターを務めています。その卓越した演奏技術と音楽性で、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。
幼少期から開花した才能
樫本は、
ロンドンで生まれました。3歳から
ヴァイオリンを始め、恵藤久美子氏、田中直子氏ら著名な教師に師事し、早くからその才能を開花させました。7歳で
ジュリアード音楽院プレカレッジに入学するなど、幼少期から類まれな音楽的才能を示していました。
国際的な舞台での活躍
11歳でリューベック音楽大学へ移り、
ザハール・ブロン氏に師事。その後、数々の国際コンクールで輝かしい成績を残します。1990年のバッハ・ジュニア音楽コンクール第1位を始め、
リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクール、ユーディ・メニューイン国際コンクール、ケルン国際
ヴァイオリン・コンクールなどで優勝。さらに、フリッツ・クライスラー国際コンクール、ロン=ティボー国際コンクールでも史上最年少優勝を果たすなど、その類まれな才能を世界に示しました。これらのコンクールでの受賞は、彼の若き才能を証明する輝かしい実績となっています。また、これらの受賞によって、高名な
ストラディバリウスの貸与を受け、使用楽器にも恵まれました。
多彩な活動
ソリストとしての活動も盛んに行い、数々の名曲を演奏。NHK大河ドラマ「利家とまつ」の音楽にも携わりました。さらに、パリやウィーンでの演奏会でメンデルスゾーンの
ヴァイオリン協奏曲を演奏するなど、国際的な舞台で活躍。2005年に音楽院を修了後は本格的なプロ活動を開始し、日本でもリサイタルツアーを開催するなど、国内外で活躍の場を広げました。
音楽祭の創設とベルリン・フィルへの就任
樫本は、2007年に
兵庫県赤穂市で「赤穂国際音楽祭」を立ち上げ、音楽監督を務めました。これは、彼が幼い頃から訪れていた母の故郷への貢献という側面も持っています。この音楽祭は、その後姫路市との共催となり、「ル・ポン国際音楽祭 赤穂・姫路」として発展を遂げました。
2009年には、
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第1
コンサートマスターに内定。2010年には正式に就任し、その地位は彼の卓越した技術と音楽性を証明するものです。31歳という若さでベルリン・フィルの第1
コンサートマスターに就任したことは、日本人として大きな功績と言えるでしょう。
継続する活動
現在も第一線で活躍を続ける樫本大進。彼の演奏は、その繊細さと力強さを兼ね備え、聴く者を深い感動に包みます。数々の賞を受賞し、数々のCDをリリースし、音楽監督として音楽祭を運営するなど、多方面で活躍する彼の今後の活動からも目が離せません。
ディスコグラフィー
Internationaler Andante Violonwettbewerb Koln 1994 (1994年ケルン国際ヴァイオリン・コンクールのライブ)
Concours International Long-Thibaud ville de Paris Finale Recital Violin 1996 (1996年ロン=ティボー国際コンクールのライブ)
DAISHINデビュー(1999年9月)
パッショナータ(2001年9月)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、フランク:ヴァイオリン・ソナタ(2004年11月)
ブラームス:
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77(2007年2月)
彼の音楽は、これからも世界中の人々に感動と喜びを与え続けるでしょう。