樺太の戦い (1905年)

樺太作戦（からふとさくせん）

樺太作戦は、日露戦争における日本の最後の戦闘であり、戦争の終息に向けた重要な一環となりました。この作戦は、アメリカ合衆国大統領による講和の勧告を受け、日本が戦局を有利に進める手段として樺太（サハリン）への侵攻を決定したことから始まりました。

背景

樺太の占領は、数年前から日本の参謀本部で議論されていたテーマであり、参謀次長の長岡外史は早くからこの計画を提唱していました。しかし、1904年9月に長岡が立案した樺太攻略案は却下され、翌年の会議でも同様に実現には至らなかったのです。日本は日露戦争の持続が難しくなっていたため、適切な講和の模索に入ります。

1905年の日本海海戦での勝利を受け、外務大臣の小村寿太郎はアメリカに対し講和の斡旋を依頼します。この斡旋が受け入れられ、ロシア皇帝が停戦勧告を承認したことも、樺太を占領する動機となりました。
日本政府の中では樺太占領に対して慎重な意見が多かったものの、長岡は児玉源太郎大将と連携し、6月15日に樺太作戦を決定する運びとなります。その後、天皇の承認を受け、新設された独立第13師団に出動指令が下されました。

経緯

樺太遠征軍は海からの支援を受け、1905年7月7日に南樺太に上陸しました。当初、南樺太にはロシア軍の兵士がわずか1200名しかおらず、日本軍はその優勢な兵力を背景に迅速に進軍しました。

翌8日にはコルサコフを占領し、10日にはウラジミロフカに到達します。12日にはロシア軍主力を撃破し、多くの捕虜を得ました。日本軍の戦死者は19人と少なかったものの、ロシアのパルチザン部隊はこれに後も抵抗を続け、戦闘は長引きました。

その後、7月24日に北樺太に上陸した日本軍は、ロシア軍が撤退する中で素早く地域を占領していきます。明治天皇からも激励の勅語が下され、樺太占領は一段と進展しました。最終的にリャプノフ中将が降伏したことで、北樺太の戦闘は終了します。

その後

樺太占領後の8月10日に始まった日露講和会議では、ポーツマス条約が結ばれました。この結果、北緯50度線以北はロシアに返還される一方、その南側は日本領として正式に認められました。

樺太作戦は、日露戦争の終結を象徴する重要な出来事として記憶され、後の日本の外交や領土問題に大きな影響を与えました。この作戦がもたらした結果は、アジアの歴史においても特異な位置を占めることになりました。

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