樽見鉄道樽見線

樽見線について

樽見線（たるみせん）は、岐阜県大垣市の大垣駅から本巣市の樽見駅までを結ぶ樽見鉄道の路線です。この路線は34.5kmに及び、全線が非電化の単線です。

概要

樽見線は大垣駅から神海駅までがかつての日本国有鉄道の特定地方交通線としての性格を持ち、神海から樽見までは日本鉄道建設公団によって建設されました。当初は大垣から福井県大野を経由して金沢に至る計画でしたが、国鉄時代に北側の建設が凍結され、樽見駅まで約70%の工事が完了していたため、路線の転換後に工事が再開されました。

住友大阪セメント岐阜工場へのセメント輸送のため、かつては大垣から本巣間に貨物列車も運行されていました。この貨物運送は営業収入の40%を占めていましたが、2006年に運行が終了し、樽見線の貨物輸送量は大きく減少しました。

そのため、樽見線は観光や買い物利用の促進に力を入れることとなりました。その一環として、地域の無人駅には市民駅長が配置され、地域住民がボランティアで駅の管理を行っています。

路線データ

• - 路線距離: 34.5km
• - 駅数: 19駅
• - 正規ダイヤ: 平日で1時間に1～2本の運行
• - 最高速度: 65 km/h

運行形態

2022年10月のダイヤ変更時点では、樽見線では大半の列車が大垣駅から樽見駅間の運行になっています。特に朝夕には多くの列車が運行されており、地域の通勤需要を支えています。以前は快速列車もありましたが、2022年以降、快速列車は全て廃止され、全ての列車がワンマン運転を行っています。

四季折々の魅力

樽見線は沿線に美しい自然が広がっており、四季を通じて異なる景色を楽しむことができます。春は桜が美しく、夏は新緑、秋には紅葉が観光客を魅了します。特に春の観光シーズンには「桜ダイヤ」と呼ばれる特別な運行が行われ、多くの観光客で賑わいます。
特別な列車が運行され、観光地へのアクセスも容易になっています。

歴史

樽見線の建設は1935年に始まりましたが、戦時中に中断。その後1952年に工事が再開され、1958年に神海駅までの延伸が完成しました。1984年には樽見鉄道に転換され、新たに路線が開通しました。長い間、地域の高校生の通学や住民の交通手段として利用されてきましたが、近年は高齢化や地域の移り変わりにより、輸送需要が変化しています。
樽見線は今後も、地域の鉄道としての役割を果たし続けることが期待されています。

樽見線は単なる移動手段を超え、地域の文化や自然を楽しむための重要なインフラとしても注目されており、鉄道ファンや観光客の訪問が続いています。

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