橋本乾三

橋本乾三（はしもと けんぞう）

プロフィール

橋本乾三は、1901年（明治34年）5月14日に東京市渋谷区で生まれ、1983年1月21日に生涯を閉じました。検察官として日本の司法に貢献した人物です。実業家である橋本卯太郎の三男であり、政治家の橋本龍太郎、高知県知事を務めた橋本大二郎兄弟の伯父にあたります。

経歴

橋本乾三は、1901年（明治34年）に、大日本麦酒（現サッポロビール）の重役であった父・橋本卯太郎と母・マツの間に生まれました。旧制第一高等学校を経て、1926年（大正15年）6月に東京帝国大学法学部を卒業しました。

1927年（昭和2年）3月、司法官試補として東京地方裁判所に配属され、1928年（昭和3年）12月には東京地方裁判所予備検事、その後秋田地方裁判所予備検事を歴任しました。1929年（昭和4年）12月には秋田区裁判所検事、1932年（昭和7年）5月には福島地方裁判所検事、1933年（昭和8年）3月には横浜区裁判所検事に就任しました。

その後、1935年（昭和10年）7月に東京区裁判所検事、1937年（昭和12年）2月には千葉区裁判所検事、1938年（昭和13年）7月には再び東京区裁判所検事を務めました。戦後の1946年（昭和21年）12月には大審院検事となり、1952年（昭和27年）には福島地方検察庁検事正、1955年（昭和30年）には最高検察庁検事に就任しました。

人物像

橋本乾三は、写真、ダンス、ハイキング、水泳など多岐にわたる趣味を持っていました。戦後は神奈川県鎌倉市材木座に居を構え、生活を送りました。

家族・親族

橋本家は、岡山県総社市、東京都渋谷区、神奈川県鎌倉市にルーツを持つ家系です。

父: 橋本卯太郎（実業家）。岡山県吉備郡秦村（現総社市）出身。橋本明によると、橋本龍太郎元首相の祖父にあたり、高梁川の氾濫で上京後、新聞配達をしながら苦学し、高等工業学校を卒業。その後、大日本麦酒に入社し、常務にまで出世した人物です。馬越恭平に才能を見出され、石光真澄の妹である真都と結婚しました。
母: マツ（熊本県出身）。軍人である石光真清、陸軍中将石光真臣の妹で、陸軍主計総監男爵野田豁通の姪にあたります。石光家は、熊本藩主細川家に仕えた武家でした。
兄: 宇一（学者、元東京高等工業学校長、科学技術庁金属材料研究所初代所長）、宙二（実業家、軍人・海軍大佐）
弟: 龍伍（官僚、政治家・元文部大臣、厚生大臣）、虎六（学者、元東北大教授）
妻: 千代（大分県出身）。軍人・陸軍中将三好一の長女。
長男: 實（実業家・JFE物流特別顧問）
二男: 明（ジャーナリスト）
三男: 宏（外務報道官、オーストリア大使、シンガポール大使）

参考文献

『大日本司法大観』（編纂兼発行者 沖邑良彦 1940年 138頁）
橋本明 『戦後50年･年譜の裏面史 昭和抱擁-天皇あっての平安-』（日本教育新聞社、1998年初版発行、2000年増補版発行、97-100頁）

関連項目

* 迫水久常（友人）

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