橋爪四郎

橋爪四郎について

橋爪四郎（はしづめ しろう、1928年9月20日 - 2023年3月9日）は、日本の競泳選手及びスポーツ指導者であり、ヘルシンキオリンピックの男子1500メートル自由形で銀メダルを獲得したことで広く知られています。和歌山県和歌山市の出身で、日本大学を卒業した後、彼のスポーツ人生は始まりました。

競泳選手としての活動

第二次世界大戦が終わった1946年、橋爪は古橋廣之進に促され、日本大学に進学しました。彼の競技活動はやがて国際舞台へと広がり、世界トップレベルの記録を次々と樹立することになります。1948年のロンドンオリンピックでは、日本が参加できなかったためメダル獲得は叶いませんでしたが、同年に行われた全日本水上選手権では当時の世界記録を破る好記録を残しました。しかし、当時の日本は国際水泳連盟から除名されていたため、この記録は公式には認められませんでした。

1949年、日本水泳連盟が国際水泳連盟への復帰を果たし、橋爪は古橋と共に渡米して全米水泳選手権に参加しました。1500m自由形決勝で新しい世界記録を達成し、他の距離でも好成績を収めましたが、常に古橋に次ぐ存在でした。彼は11回も世界記録を樹立しましたが、すべて古橋の陰に隠れてしまっていたのです。

日本代表としての成功

1951年、橋爪はAIUに職を得て、1951年と1952年の日本選手権で1500m自由形を連覇。その後、1952年のヘルシンキオリンピックでは古橋が調子を崩していたため、日本のエースとして男子1500m自由形に出場し、見事銀メダルを獲得しました。彼はこのメダルを他人に見せることはなく、古橋への配慮を示しました。

指導者としての活動

1955年、橋爪はAIUを退職し、自身のスイミングクラブを設立しました。彼はスイミングスクールの運営と後進の指導を行いながら、財団法人日本水泳連盟顧問や文部省の特別指導委員など、多くの要職も歴任しました。橋爪は「古橋は金メダルを目指して選手を育てるために水泳連盟に入った。一方で、自分は底辺を広げるためにスイミングスクールを開くことにした」と語っています。彼のスイミングクラブは、神奈川県横浜市に2つの拠点を持ちましたが、75歳の時に全て閉鎖しました。

2002年には、その功績が認められ勲四等旭日小綬章を授与されました。

思い出と遺産

2009年に古橋が亡くなった際には、彼への感謝と敬意を表するコメントを発表し、水泳界及びスポーツ界への貢献を称えました。彼の競泳選手としてのモットーは「速く泳ぐより、綺麗に泳ぐ」というもので、美しさを追求することで自然とタイムが向上することを信じていました。

2023年3月9日、前立腺癌により94歳でこの世を去りました。彼の人生は日本の水泳界だけでなく、広くスポーツ界全体に多大な影響を与えました。これからも彼の成果と精神は、多くの選手や指導者に受け継がれていくことでしょう。

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